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Monthly Archives: June 2026
蒔絵と漆工芸の博物館(博物館紹介)
― 千年の歴史を持つ日本の伝統工芸品の美と匠をみるー (現在作業中) はじめに 漆工芸は、ウルシの木の樹液を塗料や接着剤として用い、木や竹などの器物に塗り重ねて装飾を施す伝統工芸の一つで、高品質な工芸品は“Japan”とも呼ばれ、代表的な日本の工芸品となっている。漆は古い時代より堅牢性、耐久性や加飾のしやすさにから日常使われる食器や重箱などの漆器から、建物や仏像、芸術品に至るまで広く用いられてきた歴史がある。また、漆器は、素地、塗り、加飾といった工程で作られる長い時間をかけて漆工芸で、特に美しい蒔絵、螺鈿、沈金などは非常に価値の高い美術品として取り扱いされている。漆工芸は地場の伝統産業として各地で発達してきており、北の津軽塗から、漆液産地で作られる浄法寺塗、輪島塗、鎌倉時代に起源を持つ鎌倉彫、華やかな加賀蒔絵が有名な金沢漆器、木目の美しい飛騨春慶塗、伝統的な美術蒔絵が風格ある京漆器、良質な漆の越前漆器などが特に有名である。 ここでは、これら各地の漆工芸を前提にしつつ、日本の代表的な漆工芸に関する博物館・美術館などを紹介してみようと思う。 ++++++++ ♣ 蒔絵博物館(インターネットミュージアム) HP: https://makie-museum.com/index.html → インターネットで作品を紹介するバーチャル博物館。漆工芸の研究者高尾曜が開設したミュージアム。ウェッブ上に蒔絵概説史、蒔絵師の伝記、蒔絵作品の展示、用語集などを載せていて漆工芸・蒔絵の総合解説集となっている。展示では、漆工芸が最も盛んだった江戸時代を中心に、蒔絵の名工達の事歴と作品群が産地を含めて詳しく紹介している。 このうち蒔絵概略史は、時代別の作者と作品解説がなされており、蒔絵発達の歴史をみるには非常に役立つ資料となっている。これによれば、安土・桃山時代に秀吉など天下人の好みでより派手な蒔絵が好まれ寺社などの建築に豪壮華麗な蒔絵が施されたこと、江戸時代初期には江戸城本丸に「御細工所」も創設され、金沢でも加賀前田家で加賀蒔絵の礎が築かれたこと、江戸中期には尾形光琳や山本春正が活躍したこと、後期には 将軍や家族の道具類、子女の婚礼調度に蒔絵が多く用いられて古満寛哉や 原羊遊斎など名工が生まれたこと、幕末には中山胡民や 柴田是真、 京都では山本利兵衛や 佐野長寛などが活躍したこと、明治になると工芸品は外貨獲得の有効な手段と位置づけられて蒔絵は重要な輸出品目と位置づけられ、また、 蒔絵師も万国博覧会や 内国勧業博覧会向けの作品を作るようになり輸出商社もできてくる。明治23年には「日本漆工会」も設立され展覧会も開催されるようになる。この期には、東京では池田泰真、川之邊一朝、植松抱民、京都では山本光利、富田幸七などが名工として知られるようになったという。また、当インターネット博物館で歴史的な蒔絵作品も数多く「作品展示」で紹介されている。 これら漆工芸と蒔絵の歴史と作者の紹介がなされているのは、この蒔絵博物館ならではの特色といえるだろう。 See: 蒔絵博物館/蒔絵概略史https://makie-museum.com/history.htmlSee: 蒔絵博物館/蒔絵師伝記https://makie-museum.com/makieshi.htmlSee: 蒔絵博物館/作品展示室https://makie-museum.com/sakuhin.html ++++++++++++++++++ ♣ 石川県輪島漆芸美術館 所在地:石川県輪島市水守町四十苅11番地 Tel.0768-22-9788HP: https://www.art.city.wajima.ishikawa.jp/about → 輪島漆芸美術館は日本を代表する伝統工芸「輪島塗」漆芸専門の美術館。輪島市と輪島漆器商工業協同組合が運営主体となり1991年に開設された。漆芸品及び漆文化に関する調査研究、資料収集、保管展示を行って総合的な漆文化の発信を目指している。館内の常設展では「輪島塗の技と歴史」をテーマに、近世から現代にいたる歴史的な輪島塗作品が展示しており、輪島塗の技と歴史が製作道具や映像でわかりやすく紹介されている。また、人間国宝など著名な漆芸作家の漆工芸品、日本と世界の各種漆器なども身近にみることができる。 ちなみに、輪島塗は能登半島の輪島地域で生産される伝統工芸漆器を指し、特色としては、木地に生漆と米糊を混ぜた布を貼って補強(布着せ)、焼成珪藻土を混ぜた下地を何層にも施した「丈夫さ」に重きをおいた漆器とされる。起源については、室町時代に根来寺の僧が伝えたという説、戦国時代に豊臣秀吉の兵火より逃れた根来寺の僧が伝えたという説など様々な説がある。しかし、それ以前にも、能登半島の「三引遺跡」(七尾市)から6800年前の漆製品が発見されており、輪島では平安時代の遺構である「屋谷B遺跡」でも漆製品が発掘された記録がある。また、輪島市河井町の重蔵神社旧本殿の朱塗扉(室町時代の1524年作)が現存する最古の輪島塗のものとされている。 現在のような輪島塗の技術が確立したのは江戸時代前期の寛文年間(1630年頃)と伝えられている。さらに、江戸時代の中期にかけて、現在の工程とほとんど同様の工程となり、広く普及して日常用品として使われるようになった。 明治になると、輪島塗は国内勧業博覧会などで地産品として広く紹介され、輸出品としても珍重された。また、国内市場では、堅牢な実用品として椀や箸、装飾箱など用いられていることが多くなる。そして、輪島塗は、1975年に国の伝統工芸品指定を受けると芸術的な意味合いも付加されるようになり、現在では、優美で少し高級志向のある漆工芸品として市場価値を高める傾向にある。しかし、2024年1月に発生した能登半島地震により、工房や店舗が大きな被害を受け、生産の再開が困難となっている。また、輪島朝市周辺の火災により、12の事業所が焼失し材料や道具を失った事業者が多くなっている。当漆芸美術館も大きな被害を受けた。 ・参照:石川県輪島漆芸美術館 – Wikipedia・参照:日本の漆器 – Wikipedia・参照:輪島塗の特徴 や歴史(KOGEI JAPAN)https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/wajimanuri/ ++++++++++++++++ ♣ 輪島塗会館 所在地:石川県輪島市河井町24-55 Tel. 0768-22-2155HP: https://wajimanuri.or.jp/ … Continue reading
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