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生活を豊かにする音楽と楽器の博物館(博物館紹介)

 ―世界と日本の多様な音楽と楽器の姿と歴史を検証するー はじめに  先日東京・信濃町にある民音音楽館を訪ねてきた。ここでは15世紀のチェンバロから現代のピアノまでを展示・演奏してくれるほか世界の多様な民族楽器が展示されており、楽器の豊かさと歴史を感じさせる。今回は、これを機に日本にある音楽と楽器の多様な博物館を紹介してみることにした。日本に非常には沢山の音楽・楽器の博物館があり、音楽文化が深く生活の中に浸透していることがわかる。また、ものづくりの面でも楽器製作は盛んで、浜松を中心とした中部地区にはヤマハやカワイ、ローランドように世界的にも楽器製作と技術が集積している。近年では文化財保存運動の一つとして伝統的な和楽器の制作が職人によって継承され、三味線、尺八、琴制作などが各地で作られるようになっている。 今回、ここでは日本の代表的な楽器博物館、ヤマハ、カワイなどの楽器資料館、大学などの音楽・楽器施設、民族楽器の展示館、音楽家の記念館などを取り上げてみた。 ++++++++++++++++++++++++++++++ ♣ 浜松市楽器博物館 所在地:静岡県浜松市中央区中央3-9-1 Tel. 053-451-1128HP: https://www.gakkihaku.jp/   → 浜松市楽器博物館(楽器博)は、世界中から多様な楽器を収集し体系的に整理して展示している大規模な公立総合楽器博物館。内容的には「世界楽器歴史博物館」ともいえる施設で、ヨーロッパをはじめ、アジア、中東、アフリカ、オセアニアなどに存在する特徴的な楽器類を1500点以上収集・展示し、それぞれの由来、特徴、歴史を詳しく伝えている。視覚的にも華麗なアジアの楽器、歴史のあるヨーロッパの楽器、伝統的な形のアフリカ、オセアニアの楽器などが一堂に集められており、その文化的な多様性を感じさせてくれる。日本の伝統民俗楽器のコレクションも見応えがある。中でも、浜松がピアノ生産で世界一ということもありピアノ展示は豊富で、ヨーロッパの有名な歴史的なピアノ名品のほか、日本で歴代生産されてきた特徴あるピアノが並んでいて、日本のものづくり文化の背景を感じさせてくれる。  展示コーナーは幾つかの地域ゾーンに分かれており、それぞれの特徴的な楽器をそろえて展示している。まず、アジアではインドネシアのガムランはじめ伝統楽器420点、ヨーロッパでは歴史的なピアノ、フルート、ヴァイオリンなど360点、アフリカ、オセアニアでは伝統的な打楽器や弦楽器190点、アメリカでは南米のマリンバなど150点余が展示されている。また、日本ゾーンでは、古来の篳篥、羯鼓、江戸時代の琴、箏、民衆民俗楽器の尺八、三味線、太鼓など200点が解説付きで見られる。また、国産洋楽器ゾーンでは、明治以降、浜松のメーカーが製作してきたオルガン、ピアノ、そして、2010年からは電子楽器セクションが設けられ、シンセサイザー、電子オルガンなど80点が展示に加えられている。  これだけの世界中の楽器が一カ所に集められ、それぞれ比較して観察できるのは非常に珍しいと思われる。 ❖ 浜松の楽器産業の発展と展示―国産洋楽器ゾーンー  最後に、浜松にこれだけ大規模な「世界楽器博物館」が設立されてきたかについても触れる必要があるように思える。浜松は、前に触れたように「音楽のまち」を標榜しているが、ヤマハ、カワイ、ローランドといった楽器メーカーが集中し、かれらが市の文化活動と産業を振興しようとしていることによる。「楽器博物館」その一環で設立されたと考えられる。  この楽器製造の源流は、明治初期にさかのぼる。 ヤマハの創業者山葉寅楠がオルガン造りを志し、苦労の末、国産のオルガンを浜松で製作するようになったことがはじまりとされる。山葉は、1890年、第3回内国勧業博覧会(上野)に出品したオルガンで賞をとった後、「山葉楽器製造所」を設立してオルガン製作開始。そして、1897年、日本楽器製造株式会社となり国産のピアノを製造する。これが現在のヤマハの楽器作りの始まりであった。一方、日本楽器製造所で働いていた河合小市は、1926年、同社を退職、独立して河合楽器研究所を設立、ピアノの製造・販売に乗り出した。現在では、このヤマハとカワイはピアノ部門では世界一の生産を誇っている。この歴史の一端示す製品が、楽器博物館の国産洋楽器ゾーンに示されている。  展示では、足踏み式リードオルガン(日本楽器製造株式会社、明治40年頃製作)、アップライト・ピアノ(日本楽器製造株式会社、明治30年頃製作)、グランド・ピアノ(河合楽器製作、昭和2年頃製作)などが見られる。ここでは足踏み式リードオルガンの製作から始まり、ピアノへ、そして多様な西洋楽器が生産された歴史が確認できる。 ・参照:浜松の「楽器博物館」を訪ねるhttps://igsforum.com/visit-the-hamamatsu-museum-of-musical-instruments-jj/・参照:浜松におけるピアノと楽器産業の発展について(京都造形芸⼤)http://g.kyoto-art.ac.jp/reports/1131/・参照:⾳の起源:https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/oto/naiyou/kigen.html・参照:Japan Highlights Travel: https://japan-highlightstravel.com/jp/spot/322/・参照:浜松市楽器博物館についてhttp://miki329.ecnet.jp/keitai/gakkihakubutsukan.html +++++++++++++++++ ♣ 民音音楽博物館  所在地:東京都新宿区信濃町8番地HP: https://museum.min-on.or.jp/   → 民音音楽博物館は東京・新宿区にある民音文化センターに併設された音楽博物館。一般財団法人民主音楽協会によって運営されており、貴重な古典ピアノをはじめオルゴール、民族楽器などが展示されている。実際に演奏も行われていて音色を鑑賞できる。この博物館は1974年に設立された「民音音楽資料館」が前身で2003年に民音音楽博物館となった。2022年にはリニューアル、展示室が大幅拡張され現在の姿となった。館内には、古典ピアノ室、自動演奏楽器室、(民族楽器)展示室、音楽ライブラリーがあり、それぞれ特色ある展示を誇っている。ちなみに神戸市にも同じ内容の西日本館がある。  このうち、民音音楽博物館の古典ピアノ室常設展示では、16~19世紀につくられたチェンバロ、フォルテ(古典)ピアノ、モダンピアノのコレクションが豊富。このうちウィーンの名工だったアントン・ワルターによる1795年製のフォルテピアノは、日本で見られるのはこの1台のみという。  また、民族楽器には多様な世界の民族楽器約900点を収蔵。南米のキハーダというロバの下あごの骨か出来た打楽器など多数の珍しい楽器が並んでいる。壺のようなインドの打楽器のガタムやタイの木琴のラナー・エーなどもあり実際に音を鳴らすことができる。  アンティークなオルゴールの展示と実演もみどころのひとつ。なかでも、1897年製のディスク型オルゴールのキング・オブ・レジナが出色で、大判のディスク(鋼鉄製の円盤)を使った重厚感と迫力の自動演奏が楽しめる。また、コテージ・オーケストリオン(1900年頃)、スストリート・オルゴール「フェアリーテール・オルガン」なども魅力の展示である。また、博物館にはライブラリー部門・展示部門を合わせて30万点を超える貴重な音楽資料が所蔵されていて見ることができる。 ・参照:歴史的価値の高い鍵盤楽器が並ぶ「民音音楽博物館」https://member.jp.yamaha.com/topics/myujin/2015/wm-8320・参照:ストリート・オルガンコレクション(民音音楽博物館) https://museum.min-on.or.jp/collection/detail_D00006.html・参照:民音音楽博物館」の歴史~「民音音楽資料館」の発足から~ スペシャルてい談|History of MIN-ON|おすすめコンテンツ(民主音楽協会) https://www.min-on.or.jp/history/history03-03.html・参照: 民音音楽博物館紹介ユーチューブ・See: 民音音楽博物館リニューアルオープンhttps://www.youtube.com/watch?v=JjF6cxJibQg・See:ピサ・チェンバロ | 1580年~1600年頃 イタリア製 | 民音音楽博物館コレクション Vol.1 https://www.youtube.com/watch?v=TC7N_6bYX2w・See:民音音楽博物館コレクション Vol.2 ヨハン・フリッツttps://www.youtube.com/watch?v=b7DieG6_bx4・See:民音音楽博物館コレクション Vol.3 クラシック・オーケストラ ++++++++++++++ ♣ ヤマハ・イノベーションロード 所在地:静岡県浜松市中央区中沢町10番1号 ヤマハ株式会社本社事業所21号館内HP: https://www.yamaha.com/ja/about/experience/innovation-road/  → ヤマハ … Continue reading

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