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Monthly Archives: March 2026
生活を豊かにする音楽と楽器の博物館(博物館紹介)
―世界と日本の多様な音楽と楽器の姿と歴史を検証するー (作業中) はじめに 先日東京・信濃町にある民音音楽館を訪ねてきた。ここでは15世紀のチェンバロから現代のピアノまでを展示・演奏してくれるほか世界の多様な民族楽器が展示されており、楽器の豊かさと歴史を感じさせる。今回は、これを機に日本にある音楽と楽器の多様な博物館を紹介してみることにした。日本に非常には沢山の音楽・楽器の博物館があり、音楽文化が深く生活の中に浸透していることがわかる。また、ものづくりの面でも楽器製作は盛んで、浜松を中心とした中部地区にはヤマハやカワイ、ローランドように世界的にも楽器製作と技術が集積している。近年では文化財保存運動の一つとして伝統的な和楽器の制作が職人によって継承され、三味線、尺八、琴制作などが各地で作られるようになっている。 今回、ここでは日本の代表的な楽器博物館、ヤマハ、カワイなどの楽器資料館、大学などの音楽・楽器施設、民族楽器の展示館、音楽家の記念館などを取り上げてみた。 ++++++++++++++++++++++++++++++ ♣ 浜松市楽器博物館 所在地:静岡県浜松市中央区中央3-9-1 Tel. 053-451-1128HP: https://www.gakkihaku.jp/ → 浜松市楽器博物館(楽器博)は、世界中から多様な楽器を収集し体系的に整理して展示している大規模な公立総合楽器博物館。内容的には「世界楽器歴史博物館」ともいえる施設で、ヨーロッパをはじめ、アジア、中東、アフリカ、オセアニアなどに存在する特徴的な楽器類を1500点以上収集・展示し、それぞれの由来、特徴、歴史を詳しく伝えている。視覚的にも華麗なアジアの楽器、歴史のあるヨーロッパの楽器、伝統的な形のアフリカ、オセアニアの楽器などが一堂に集められており、その文化的な多様性を感じさせてくれる。日本の伝統民俗楽器のコレクションも見応えがある。中でも、浜松がピアノ生産で世界一ということもありピアノ展示は豊富で、ヨーロッパの有名な歴史的なピアノ名品のほか、日本で歴代生産されてきた特徴あるピアノが並んでいて、日本のものづくり文化の背景を感じさせてくれる。 展示コーナーは幾つかの地域ゾーンに分かれており、それぞれの特徴的な楽器をそろえて展示している。まず、アジアではインドネシアのガムランはじめ伝統楽器420点、ヨーロッパでは歴史的なピアノ、フルート、ヴァイオリンなど360点、アフリカ、オセアニアでは伝統的な打楽器や弦楽器190点、アメリカでは南米のマリンバなど150点余が展示されている。また、日本ゾーンでは、古来の篳篥、羯鼓、江戸時代の琴、箏、民衆民俗楽器の尺八、三味線、太鼓など200点が解説付きで見られる。また、国産洋楽器ゾーンでは、明治以降、浜松のメーカーが製作してきたオルガン、ピアノ、そして、2010年からは電子楽器セクションが設けられ、シンセサイザー、電子オルガンなど80点が展示に加えられている。 これだけの世界中の楽器が一カ所に集められ、それぞれ比較して観察できるのは非常に珍しいと思われる。 ❖ 浜松の楽器産業の発展と展示―国産洋楽器ゾーン 最後に、浜松にこれだけ大規模な「世界楽器博物館」が設立されてきたかについても触れる必要があるように思える。浜松は、前に触れたように「音楽のまち」を標榜しているが、ヤマハ、カワイ、ローランドといった楽器メーカーが集中し、かれらが市の文化活動と産業を振興しようとしていることによる。「楽器博物館」その一環で設立されたと考えられる。 この楽器製造の源流は、明治初期にさかのぼる。 ヤマハの創業者山葉寅楠がオルガン造りを志し、苦労の末、国産のオルガンを浜松で製作するようになったことがはじまりとされる。山葉は、まず1890年、第3回内国勧業博覧会(上野)に出品したオルガンで賞をとった後、「山葉楽器製造所」を設立してオルガン製作開始。そして、1897年、日本楽器製造株式会社となり国産のピアノを製造する。これが現在のヤマハの楽器作りの始まりであった。一方、日本楽器製造所で働いていた河合小市は、1926年、同社を退職、独立して河合楽器研究所を設立、ピアノの製造・販売に乗り出した。現在では、このヤマハとカワイはピアノ部門では世界一の生産を誇っている。この歴史の一端示す製品が、楽器博物館の国産洋楽器ゾーンに示されている。 展示では、足踏み式リードオルガン(日本楽器製造株式会社、明治40年頃製作)、アップライト・ピアノ(日本楽器製造株式会社、明治30年頃製作)、グランド・ピアノ(河合楽器製作、昭和2年頃製作)などが見られる。ここでは足踏み式リードオルガンの製作から始まり、ピアノへ、そして多様な西洋楽器が生産された歴史が確認できる。 ・参照:浜松の「楽器博物館」を訪ねるhttps://igsforum.com/visit-the-hamamatsu-museum-of-musical-instruments-jj/・参照:浜松におけるピアノと楽器産業の発展について(京都造形芸⼤)http://g.kyoto-art.ac.jp/reports/1131/・参照:⾳の起源:https://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~masako/exp/oto/naiyou/kigen.html・参照:Japan Highlights Travel: https://japan-highlightstravel.com/jp/spot/322/・参照:浜松市楽器博物館についてhttp://miki329.ecnet.jp/keitai/gakkihakubutsukan.html +++++++++++++++++ ♣ ヤマハ・イノベーションロード 所在地:静岡県浜松市中央区中沢町10番1号 ヤマハ株式会社本社事業所21号館内HP: https://www.yamaha.com/ja/about/experience/innovation-road/ → ヤマハ イノベーションロードは、ヤマハ130年の歴史を踏まえ、ピアノをはじめ各種の楽器、音響機器など800点以上を展示している企業博物館である。2018年にヤマハ本社構内のイノベーションセンター1階に開設された。ヤマハの先端技術や楽器づくりの歴史、現在・将来の音源ビジネスへの挑戦の姿をイノベーションの「道」ロードとして体感できる施設と位置づけている。展示エリアは、プロローグ、コンセプトステージ(理念)、楽器展示エリア、デジタルライブラリー、イノベーションロードマップ(技術史絵図)、ヒストリーウォーク(社史)、イノベーション・ラボ(製品開発)、音響展⽰エリア、バーチャルステージなどとなっており、ヤマハの音響機器、楽器開発への取り組みの全容を歴代製品など共に詳しく紹介している。 このうち、楽器展示エリアでは、主力楽器であるピアノのほかに、ヤマハギターの歴史を刻むヴィンテージギター、マーチングドラムなどのマーチング楽器、創業当時のオルガン、から現在に至るまでの歴代の革新的製品などのアイテムが陳列されており、ヤマハ楽器の歴史がわかる構成になっている。 また、イノベーションロードマップでは、ヤマハが歩んできた挑戦やイノベーションの歴史を、技術や素材のつながりの視点から、ロードマップとして絵巻物風に紹介、イノベーション・ラボでは、開発現場の想い、技術革新への挑戦を伝える製品開発ストーリー、未来の取り組みを紹介、音響展⽰エリアでは、さまざまな音響機器を展示して音楽を創り出す「音」の魅力と多様性の体験を促すコーナーを設けている。 館内に設けられたスーパーサラウンドシアターもヤマハの誇る立体音響技術が示されており圧倒的な音の臨場感が体感でき、バーチャルステージではバーチャル映像と連動した楽器の自動演奏が楽しめるようになっている。 全体として、このヤマハのイノベーションロード施設は、音楽と楽器の融合の姿を「見て・聴いて・触れて」直接触れることの出来る貴重な楽器博物館といえよう。 なお、360度カメラで撮影したバーチャル・イノベーションロードも公開されており、施設外でも博物館の展示内容を見学できる。 See; https://www.yamaha.com/ja/about/experience/innovation-road/vir/ ❖ 楽器を中心としたヤマハの創業と発展の歴史の姿 ヤマハのイノベーションロード博では、企業としての創業と発展をヒストリーウォーク(社史)で年表風に詳しく紹介している。これを参照しつつヤマハの創業と発展の歴史を概説してみる。 <ヤマハの創業と源流> ヤマハの源流は1887年(明治20年)、山葉寅楠が浜松の尋常小学校でオルガンを修理したことがきっかけといわれる。幼い頃より機械製作に才能があった寅楠は、修理中にオルガン内部を自身で模写し試作品を完成させることで事業化を決意する。また、これを苦労して天秤棒でかついで箱根の山を越え、東京の音楽取調掛(現・東京藝術大学)に持ち込んだと伝えられている。(博物館には、この逸話を記したレリーフが残されている。) そして、1888年(明治21年)には浜松で日本最初の本格的オルガンの製造に成功、2番目のオルガン試作品は東京音楽学校で認められ、共益商社書店、大阪開成館(現・三木楽器)両者と販売契約を結び事業化の目途が立った。また、寅楠は1889年(明治22年)に合資会社「山葉風琴製造所」を設立、1891年(明治24年)には、河合喜三郎と共同で山葉楽器製造所を設立、1897年(明治30年)には「日本楽器製造株式会社」に改組している。また、同時期にピアノ製造に乗りだし、1900年にはアップライトピアノ、1902年にはグランドピアノの製造を開始している。そして、1910年、共益商社楽器店を買収して自社の東京支店(現・ヤマハ銀座店)を設け、楽器販売の拡充を図っている。 1916年(大正5年)の寅楠の死後は2代目社長に天野千代丸が就任し、ピアノ製造は一族の山葉直吉らがあたる体制をとった。また、同年8月に西川楽器(西川オルガン)を合併する。しかし、事業拡大の一方で、1926年4月には大規模な労働争議が発生するなど経営は決して順調ではなかった。この困難の中、住友電線の川上嘉市が3代目社長に就任、経営の合理化・近代化を図る。経営の好転後、1935年にヤマハ初の電気楽器「マグナオルガン」を製作するなど、新しい分野にも進出する。 <戦中から戦後のヤマハビジネスの展開> しかし、時勢は戦時の雰囲気が強まり、1938年に陸軍管理下の軍需工場に組み入れられ、金属プロペラや木製プロペラ(小型練習機用)の生産にシフト、1944年11月に楽器類の生産は完全休止することとなる。また、艦砲射撃で浜松工場が全壊するなどの被害を受けることとなった。 ヤマハは戦時に大きな被害を受けたものの、戦後は楽器製造開始により復興を図ることを決意する。終戦2か月後の1945年10月にハーモニカ、シロフォンの製造を再開、1947年4月にピアノの製造を再開する。そして、1950年に嘉市の息子である川上源一が第4代社長に就任し、社有の技術の応用と多角化を図ることで従来の楽器事業を充実させることを決意する。戦後の経済復興とともに音楽を振興させ生活に彩りを加えることを目指したのであった。特に、日本の狭い住宅環境で鍵盤楽器を親しむことを目指し、製品・サービスを広げた。1959年に「ヤマハ音楽教室」を開いたのもその一つであった。同じく1959年にはエレクトーンD-1を発売、ピアノ、エレクトーンの販売のために割賦会社のヤマハクレジットを設立している。1960年代からはグランドピアノから管楽器、打楽器、弦楽器まで幅広く製造する総合楽器メーカーとしての基礎を固めている。また、1968年にはピアノ・弦楽器製造の天竜楽器、1970年には日本管楽器を吸収合併、創業90周年の1987年に社名を「日本楽器製造」から「ヤマハ」へ変更している。 ヤマハは、戦後、楽器以外の分野にも進出して業績拡大を図る。1955年に二輪車部門を独立させ、「ヤマハ発動機」としている。また、その後は、アーチェリー、ラケット、スキー板などスポーツ用品の開発、自転車、高級家具の製造、リゾート施設の建設などにも進んで、現在は、音楽楽器から展開し、総合生活用器具メーカーとしても発展している姿がある。 イノベーションロードマップでは、これらヤマハが歩んできた挑戦やイノベーションの歴史が詳しく語られている。 ++++++++++++++++++++++++ ♣ カワイ竜洋工場歴史資料室(工場見学と歴史資料室見学) 所在地:静岡県磐田市飛平松252HP: https://www.kawai.jp/ryuyofactory/facility/historyroom/ → カワイ(河合楽器製作所)はヤマハと並び日本最大のピアノメーカーである。1927年創業の老舗楽器製造会社であり、フルコンサートグランドピアノ「Shigeru Kawai」は国際コンクールでも採用されるなど高い技術力を持つ。また、ピアノ製造のほか、電子ピアノ、音楽教室、ミニピアノ事業も展開している。この主力ピアノ工場がカワイ竜洋工場で、この工場内にカワイの歴史資料室がある。この資料室には、約600年前に欧州で誕生した鍵盤楽器チェンバロや、カワイが手がけた最初のグランドピアノをはじめとする歴代機種など13台が演奏できる状態で展示されている。また、館内には、ピアノの歴史 ピアノ製作の工程などの解説があり、カワイの歴史と共に鍵盤楽器ピアノの音質性能や成り立ちがわかる。なお、竜洋工場には見学コースも設けられていて、職人のピアノ製作の様子を直に見ることができる。 主な展示品には、ピアノの基となった13世紀のクラヴィコード、ハープシコード(1697年)、ハンマーフリューゲル(1795年)、カワイグランドピアノ第一号(1928年)などがある。 ❖ 楽器メーカー・カワイの創業と発展 日本楽器製造(現・ヤマハ株式会社)に勤務していた河合小市が独立し、1927年に河合楽器研究所を設立したのがはじまりである。当初は、工場とも呼べない小さな倉庫からの出発であったが、ピアノづくりにかける熱い想いがあったという。「昭和型」と名づけたカワイピアノ第一号を発売。1928 … Continue reading
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