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コンピューターと計算具の博物資料館
ー資料館にみる計算機器の進化とコンピューターの歴史ー (作業中) はじめに 人類は文明が成立して以来、社会的営みの一つとしてモノを数え計算するという行為を発展させてきた。当初は、手が“数え”の基準であったが、次第に石や木片などの道具を使うようになり、算木、アパガス、計算尺など数学を応用した器具も作られるようになった。そして、数字を書き記す技法が発展すると手動で操作をおこなう計算器具が生まれている。こうしたことを背景に、機械式計算機は17世紀頃、歯車式計算機の開発がはじまり、19世紀には数学理論化と物理学の発展により真空管による電子式計算機(ENIAC)が発明され、次にトランジスタ・ICによるコンピューター開発と急速に進化している。一方、日本では、長くそろばんが計算用具として使われてきた。機械式計算用具の発展をみると手動式、電動式のものから卓上電子計算機(電卓)、そしてPCへと進化し日常的に広く使われるようになっている。 今回は、これら計算機と計算用具、コンピュータの歴史と技術を扱った博物館を紹介してみた。 ❖ 資料館にみる計算機器・コンピューターの歴史は・・ この計算機器コレクションと展示品の意義・内容について、見学した東京理科大学近代科学資料館展示を参照しつつ解説してみる。 ・参考:https://igsforum.com/visit-rikadai-kagaku-haku/ ・参考:キース・ヒューストン「計算用具の歴史―石、そろばんから電卓までー」(原書房) ・参考:ハーマン・H・ゴールドスタイン「計算機の歴史」(共立出版) <古代からの計算道具・機器> 資料館には、先史時代からの「数える」道具類が数多く陳列されている。この中には、石や木、わらを使って数を数える道具類、古代の「算木」呼ばれる計算道具などがみられる。また、古くから使われた「そろばん」の展示があり、原初期から近代まで広く使われた上下段付きの「そろばん」まで、古今東西のそろばんが数多くそろえてある。中でも、中国のそろばんの歴史を示すものや日本の近代以降広く使われた各種そろばんの展示は見応えがある。これらを見ていると、人類にとって「計算」という作業が文明の形成にとって如何に大切であり、工夫を凝らして道具づくりをしてきたかがよくわかる。 <近世・近代以降の計算機器> 近世以降、開発された計算道具は多種多様であるが、資料館には機械式の計算機と計算尺、アリスモメーターなどが展示されている。この中には、パスカルの計算機パスカリーヌ、17世紀に発明された「ライプニッツ計算機」のレプリカもみられる。日本では、「和算」に使われた「算木」のほか、そろばんなど近代の計算機器の開発が盛んに行われていたことも展示で示されている。明治以降をみると、西欧の計算機技術が導入されるようになり、日本独自の計算機も生み出されていった。明治36年(1903)、矢部良一が製作した「自働算盤」(「パテント・ヤズ・アリスモメートル」がその第一号となっている。 一方、日本では長い間「そろばん」が最もポプラーな計算器具として使われていたが、1950年代以降になると機械式の計算機も広く使われるようになる。このうち最も広く使われたのが「タイガー式計算機」。資料館の機械式計算機のコーナーには、このタイガー式計算機の歴代モデルが展示してある。そのほか、東芝の20-TC卓上計算機も見える。 また外国モデルの機械式計算機も数多く展示されていて、国ごとの特色がよくわかる構成になっている。このころ電動式の機械計算機も出現しているが、このうち「モンロー式計算機」が有名であった。その頃の値段で数十万円もしたというから非常に高価なものであったとされる。また、日本では、1950年代、カシオがリレースイッチを使った電気式計算機を開発しており、この貴重な初期モデル「 Casio 14-A」も展示してあった。これが日本における電気子式計算機開発の先駆となっている。一方、世界では1940年ごろから、リレー式計算機や真空管方式/トランジスタ方式の電子計算機、つまりコンピュータが開発され始める。 <「計算」に革命を与えた電卓の普及> 1960年代になると、真空管に替わった半導体の技術により電子式の「計算機」、いわゆる「電卓」が普及してくる。このうちでは、国内初の電卓であるシャープの「Compet CS-10」がよく知られる。また、ソニーがソバック(Sobax)を発売している。この頃、東芝やパナソニックなど電気メーカーがオフィス用の卓上型電子計算機も数多く開発してブームになっており、オフィスでの計算業務が急速に機械化されていった。特に、LSIを利用した電卓の発明は小型計算機のコスト削減と軽量化を果たし普及に拍車をかけた。この先鞭を付けたのはカシオの「カシオミニ」であった。カシオやシャープなどの電気メーカーは計算器具を急速に小型化して価格を引き下げ、「電卓」を「そろばん」に変えて数計算の主役に引き上げていった。このことは展示でもよく示されている。 この間、多様な「電卓」が開発されたが、初期の比較的重量のあるものからカードサイズの「電卓」まで、時代の流れにそって、どのように電卓が進化してきたかがよくわかる。 ・参照:電卓(電子式卓上計算機)の歴史(東京理科大学生涯学習センター「コンピュータの歴史」講演資料)dentaku-museum.com/1-exb/special/rikadai/rikadai.html#1 <大型電子計算機コンピュータの展開> 一方、これに並行して急速に発展していったのが大型電子計算機コンピュータ(メインフレーム)である。複雑な科学計算、工学計算には大型のメインフレーム・コンピュータが必須であった。世界で初めてプログラム言語によって計算を行うコンピュータが開発されたのは、1940年代で、1946年にペンシルバニア大学で開発された最初のコンピュータが“ENIAC”である。続いて1949年にプログラム内蔵式コンピュータEDSACが生まれている。 1950年代に入ると商用コンピュータも出現している。 日本においても黎明期のコンピュータはEDSACに倣って作られたもので、1950年代末から1960年代にかけて,日本の大学,国立研究所,コンピュータメーカなどでも研究用に開発も進んでいる。理科大科学資料館では、これら初期のコンピュータの展示はスペースの制約で少ないが、1950年代に真空管を使った富士通のFACOMコンピュータが展示されている。この時代のコンピューターには真空管が使われており、現在に比べると形状も大型で能力も格段に低かった。また、資料館には大阪大学で使っていたという機械式では珍しい航空機開発のための積分計算機の復元モデルも展示されていた。一方、国立科学博物館では、日本で最初に稼働した真空管式計数電子計算機FUJIC(富士フィルム1956年)が展示されている。 一方、1960年代から1970年代にかけての大きな変化は、半導体・トランジスタを使用したオフィス・コンピュータの出現と発展である。このはしりはETL Mark III トランジスタ式計算機(電気試験所1956年)である。海外メーカーであるIBMも勿論、1964年には富士通,沖電気,日本電気が共同で大型コンピュータFONTACを開発、日立製作所では科学技術計算用の大型汎用コンピュータHITAC 5020を1964年開発している。これらの成果や米国との技術提携により,日本のコンピュータメーカーは小型超能力の第3世代のコンピュータ開発に移り、新シリーズを発表している。NECはハネウェルと提携してNEACシリーズ2200を,日立はRCAと提携してHITAC 8000シリーズなどが、その例である。 ・参照:誕生と発展の歴史-コンピュータ博物館(IPDJコンピュータ博物館) https://museum.ipsj.or.jp/computer/dawn/history.html・参照:ETL Mark III トランジスタ式計算機(IPSJコンピュータ博物館)https://museum.ipsj.or.jp/computer/dawn/0011.html <大型コンピュータからパソコンへ> しかし、コンピュータでは、ムーアの法則にもあるとおり大型からパーソナルコンピュータ(PC)への推移は早かった。資料館には、こういったPC関係の展示は豊富であった。IBMの初期PCからアップルのPCモデル、東芝のダイナブックなどが各種陳列されていて、その普及と発展を見ることができる。(展示写真参照) (注)上記記述は筆者が2019年に訪問した時の展示品レビューであるが、これら展示品の殆どは現在東京理科大学野田キャンパスに移されている。 +++++++++++++++ ♣ 東京理科大学近代科学資料館 所在地:東京都新宿区神楽坂1-3 Tel. … Continue reading
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