空と航空機の博物館(博物館紹介)

   ー「空」へのあこがれと航空機の歴史をみるー

はじめに

 「空」へのあこがれは昔から人の心をとらえ空を飛ぶことは人類の夢であった。ルネッサンスのヨーロッパではレオナルド・ダビンチが「飛行機状」のものを設計、20世紀初めにはライト兄弟が動力による飛行機を発明、日本では、明治後期に代々木練兵場で航空機の試験飛行が行われている。これらの歴史を踏まえ、日本でも航空飛行への関心は深く、これまで数多くの博物館が設立されてきた。これら航空博物館では航空機の実物展示や体験を通じて、空を飛ぶ仕組みや技術の進化、航空産業の歴史を学ぶことができると人気が高い。
  この博物館紹介では、日本の主要な航空博物館を取り上げ、その展示からみた航空機発展の姿、展示内容、設立の背景などについて紹介している。特に、戦中戦後の航空機開発の歴史、その運用ついて詳しく触れることにした。

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♣ 所沢航空発祥記念館

所在地:埼玉県所沢市並木1-13 所沢航空記念公園内 04-2996-2225
HP: https://tam-web.jsf.or.jp/
・参考:所沢の「航空発祥記念博物館」を訪ねる https://igsforum.com/visit-tokorozawa-aviation-museum-in-tokyo-j/

 → この航空発祥記念館は、日本初の飛行実験を記念し、1993年、「所沢航空公園」内に設けられ博物館。記念館には、これまで日本が開発・導入してきた各所の航空機に実物、あるいはレプリカが多数展示されており、日本の航空産業の歴史をみる上でも充実した施設だといってよい。また、世界の飛行技術の発展、日本の航空史の展開、所沢飛行場の沿革、各種航空施設の概要などが詳しい解説されているほか、飛行施設のシミュレーターなども用意されていて一般の人も楽しめる。屋外には国内初の民間機YS-11などの実物が展示されているほか、航空公園内には、航空関係のモニュメント、緑地、スポーツ・文化施設なども整備されている。

❖ 航空記念館の展示

展示ホールの航空機展示

  航空機の展示を見ると、一階展示ホールには、航空機展示の「駐機場」、飛行機の歴史を語る「格納庫」、飛行科学を解説する「研究室」、大型映像館があり、二階には、所沢飛行場の歴史を示すパネル、飛行管制室の再現展示があるほか、飛行シミュレーター体験も出来るようになっている。
  まず、航空機の実物展示では、日本で開発した「川崎KAL」、米国のレシプロ練習機「T-34メンター」、軽飛行機の「スチンソンL-5E」、航空自衛隊の中等練習機「富士T-1B」、「H-19 」、軍用ヘリコプター「H-21B- V-44」など約14機がみられる。エントランスホールには1910年代に日本が制作した「会式⼀号機」のレプリカ、そして、二階には、日本で唯一の現存保4存機体である「九一式戦闘機」(航空遺産認定1号)が歴史遺産として陳列されている。

会式⼀号機
九一式戦闘機
川崎KAL
H-21B- V-44
アンリ・ファルマン機と徳川大尉

  これらは、いずれもが日本の航空機史を示す貴重な展示品である。さらに、展示コーナーの一角には、1911年に日本で初飛行を果たした徳川大尉の肖像があり、搭乗した二翼の「アンリ・ファルマン機」が陳列してあって日本の航空史の幕開けを告げる展示となっている。また、フランスのニューポール社が代制作し、1920年代、日本が練習機として使用していた「ニューポール81E2機」の実物大レプリカの展示も見られる。 館内の「研究」コーナーにある飛行機の歴史・技術、飛行の原理の実験装置も面白い展示である。

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(日本航空機開発の歴史)

 ここで、航空発祥記念館の展示を参照しつつ日本航空機開発の歴史をみてみる。

❖ 展示から見る日本航空機史の黎明

  「空」へのあこがれは昔から人の心をとらえ空を飛ぶことは人類の夢であったたようだ。16世紀にはレオナルド・ダビンチが「飛行機状」のものを設計、18世紀には、フランスのモンゴルフィエ兄弟が熱気球による公開実験、その後、ドイツのリリエンタールがグライダーを制作・実験を繰り返している。そして、アメリカのライト兄弟が、1903年世界で初めて動力による飛行機を発明して航空機時代の幕開けを告げたのはよく知られるところ。 日本でも大空飛行の夢は強かった。。明治初期島津源造が気球をあげたとの記録があるほか、二宮忠八が、1893年、鳥状の飛行体を作り飛行を成功させている。このプロトタイプ模型が、博物館に模型の形で展示されていて興味深い。 しかし、日本では、1910年、東京・代々木練兵場で徳川好敏大尉が試験飛行を行い、その後、所沢飛行場において「アンリ・ファルマン機」(フランス製)で日本初飛行を成功させたことが本格的な航空機の導入の契機とされている。

日本初飛行の碑
((現・代々木公園))
徳川大尉の初飛行(1910)

このことから、館内の展示室には、同練習飛行の模型が展示されており、また、会場フロアにはファアマン機の実物復元機がモニュメントとして設置されている。 これ以降、第一次世界大戦で航空機が大きな戦略道具と認識されるにしたがい、日本も、米英から多くの軍用機、偵察機を導入するとともに自らの航空機開発に挑むことになる。この様子は、館内に展示された各種の航空機の実物・レプリカにもよく反映されている。このうち注目すべきは、欧米の技術を活用しつつ自己開発した「会式⼀号機」(1911)、「九一式戦闘機」(1927)などと思われる。しかし、圧倒的多数は輸入による軍用機で、民間機は少なく且つ技術的にもはるかに劣る時代が長く続いた。

❖ 展示から見える太平洋戦争前後の航空機開発

零式艦上戦闘機
三式戦闘機の製造現場

  1930年代になると、政府は軍用機の戦略重要性から国内メーカーの育成に力を入れ始める。 この中で、中島飛行機(現在の富士重工・スバル)、三菱造船(後に三菱航空機、現在の三菱重工)、川崎航空機(現在の川崎重工)などが航空機メーカーとして参入、機体やエンジンの開発を開始する。ただ当時はエンジニアも少なく技術的にも蓄積が少ないことから、欧米のライセンス生産や技術支援によるところが多かったといわれる。 しかし、太平洋戦争を踏まえて軍部による重点的な航空機開発がはかられる中で、上記のメーカーの技術力・生産力は飛躍的に向上、各種の優秀な艦載機や戦闘機などが大量に生み出されるようになる。零式艦上戦闘機(いわゆる“ゼロ戦”)はその代表例とされている。記念館には、これらのうち「九一式戦闘機」(複葉の甲式四型戦闘機、1931年、中島飛行機製作)の実機が展示されており、重要航空遺産に指定されている。 戦中、軍用機を中心に一時ピークに達した日本の航空機開発の一端を知ることの出来る展示である。

❖ 展示から見る戦後の航空機産業の展開

  1945年の日本の敗戦は航空機産業の壊滅をもたらした。飛行機工場、飛行場の全滅状態に加えて、占領軍は日本の軍事力再生を恐れて、航空機の製作、研究、運航などすべてを禁じる措置をとった。航空機開発が実際に解禁されたのは1957年である。この期間の空白と技術的立ち後れは抗しがたく、日本企業は、防衛庁向けに米国製航空機のライセンス生産に細々と携わるに過ぎなかった。加えて、航空機産業はすでに大型航空機化、機種の多様化、ジェット機対応の時代に入っており、技術のキャッチアップは容易ではなかった。また、軍用機のみに傾注してきた戦前の技術体系は、シフトした民間航空機需要に応えることは難しかったことも事実である。

T-1A中等練習機

 記念館に展示されている導入された戦後の軍用機、民間機の内容を見ても、このことがうなずける。例えば、自衛隊に配備された軍用ヘリコプターUH-1 Iroquois、”H-21B” V-44、などのほか、英国製の T-34 Mentorなど多数が見られるがほとんどが米英製である。この中にあって、富士重工が製作した自衛隊の「T-1A中等練習機」は、戦後初の実用国産航空機且つ初のジェット機でもあり、展示場にはその使用エンジンとともに展示されていて目を引く。また、防衛庁へのPS-1飛行艇、C-1輸送機開発などを通じて航空機の自主開発が進んでいたのも事実である。

旅客機「YS-11」

  一方、経験のなかった民間用旅客飛行機の開発は当初非常に難しかったと思われる。しかし、民間航空機の需要増大を見込んだ政府は、1960年代、日本航空機製造(日航製、NAMC)を設立、この企業を軸として戦前の航空機メーカーと技術者を総動員して新しい民間旅客航空機の製作を模索する。これが戦後に初めて日本のメーカーが開発した旅客機のプロジェクト「YS-11」である。1962年に一号機が完成、全日空が受注して運用も開始された。その後、YS-11は1973年までに180機あまりが生産された。トラブルにも見舞われながらも唯一の国産旅客機として一定期間役割を果たし運航された。航空記念館のある航空公園の一角にはこのYS-11機の実機が展示してある。航空機製作の技術的難しさと国際競争の厳しさを示すものだが、日本の民間航空機製作への挑戦のモニュメントとして記録される展示となっている。

❖  展示から見えた最近の航空機産業の取り組み

三菱のMRJ
ホンダのHondajet

  当初の計画通りには運ばなかったものの、YS-11生産や輸送機C-1などの国産技術の開発は大きな社会的役割を果たした。例えば、富士重工はF-3エンジンを搭載したT-4練習機を生産し、川崎重工はターボエンジン搭載のCX輸送機投入に成功している。一方、民間機部門では世界の状況には追いつくことが出来ず、各種のライセンス生産、国際共同プロジェクト参加という形で開発に携わることが続いた。しかし、近年、これまでの技術的蓄積を生かして、国際競争力のある中型旅客機への取り組みがはじまった。三菱重工のMRJ(三菱スペースジェット)やホンダビジネスジェットなどのプロジェクトがこれに当たるだろう。(このうち、ホンダビジネスジェットは2022年までに200機以上生産され快調だが、MRJは2023年2月に開発中止となっている。航空機開発の難しさを示した形である)。

・参照:⽇本の航空機産業 https://ja.wikipedia.org/wiki/⽇本の航空機産業
・参照:日本の航空機一覧 https://ja.wikipedia.org/wiki/⽇本製航空機の一覧
・参照:航空の先駆者たちhttps://www.uniphoto.co.jp/special/sky
・参照:日本の航空機工業50年の歩みhttp://www.sjac.or.jp/data/walking_of_50_years/index.html
・参照:中島⾶⾏機の栄光  https://gazoo.com/article/car_history/141017_1.htm
・参照:零式艦上戦闘機 https://ja.wikipedia.org/wiki/零式艦上戦闘
・参照:初の国産旅客機「YS-11」は、どう生まれたか https://toyokeizai.net/articles/-/100217
報道写真・ストック写真 | Uniphoto Press ユニフォトプレス 

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♣ 航空科学博物館

所在地:千葉県山武郡芝山町岩山111-3 0479-78-0557
HP: http://www.aeromuseum.or.jp/ 

B777の機首展示’
航空科学博物館の外観

 → 成田国際空港に隣接して1969年に設立された航空専門博物館。博物館には、屋内展示場と体験館、屋外展示場の三つで構成されており、飛行機の実物や模型、シミュレーター、解説パネルや映像を通してわかりやすく解説・展示がなされている。 このうち、中央棟となっている屋内展示場にはボーイング747の実物パーツ(主翼の一部、エンジン、客室輪切り、貨物コンテナ)、実物大の客室モックアップ、成田国際空港の模型などが展示されており、中央にはボーイング747-400試作機の模型があり、シミュレーターで実際に操縦することが出来る。

屋内展示場の様子
ボーイング機のエンジン
実物大客室展示

   体験館の1階はホール、2階はシミュレーター室になっており、ここではボーイング737MAXのコクピットとボーイング777の機長席計器操作が体験出来るという。また、中央棟と体験館の間に、ボーイング747-200機首部分の実物も展示されている。 屋外展示場では、YS-11試作1号機 試作機をはじめとして、これまで運用されてきた各種航空機、トーイングトラクターなどが展示されている。主なものを挙げると、セスナ 195( 元朝日新聞社「朝風」)、シコルスキー S-62A(元海上保安庁機)、ビーチ 33 ボナンザ(元航空大学校訓練機)、エアロコマンダー680(元アジア航測社有機)などである。

屋外展示場
YS-11試作1号機 試作機

また、屋外展示場の近く芝山町には、成田空港問題の歴史を後世に伝える常設展示施設として、2011年に開館した「成田空港 空と大地の歴史館」が設けられている。

❖ 成田空港 空と大地の歴史館

所在地:千葉県山武郡芝山町岩山 Tel. 0479-78-2501 

空と大地の歴史館外見

  1968年に開港した成田国際空港をめぐっては、地域住民の間に反対運動が起こり、「成田・三里塚闘争」という形で当時の大きな社会問題となった。地元の有力者により、この悲劇的な闘争記録と顛末を後世に残そうと「歴史館」として開設したもの。館内は、空港のはじまり、70年前後の社会、流血の日々、成田開港、長く思い日々、円卓会議、地域にさす光、などとなっていて、1960年代から2000年にいたる開港反対闘争の経過、地元社会の変容、空港開港とその後の経過を、年代を追って反対運動の資料、記録、写真などで丁寧に展示している。航空博物館を訪問する機会に是非立ち寄ってみたい記念資料館である。

成田闘争の記録展示
反空港の闘争ヘル隊
成田闘争の顛末と年譜

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♣ 青森県立三沢航空科学館

所在地:青森県三沢市北山158  0176-50-7777
HP: https://www.kokukagaku.jp/

三沢航空科学館

   → 三沢市が設置した「三沢市大空ひろば」の一角にある航空博物館。青森県が航空史に果たしてきた役割を「大空」と「飛翔」をテーマ広く情報発信する目的で2003年に開設された。館内の1階には日本エアコミューターが使用していたYS-11機が現役時代そのままに展示があるほか、初の太平洋無着陸横断飛行を成し遂げた「ミス・ビードル号」のレプリカなどの記念機もみられる。2階は航空科学体験のフロア、3階には展望デッキがあり三沢飛行場を一望できる。屋外には実物のF-16戦闘機、T-2「ブルーインパルス」なども展示されている。 なお、航空科学館設立の背景としては、三沢のもつ歴史的な環境(旧日本海軍の基地、戦後の米軍・自衛隊の駐留、太平洋横断初飛行)を生かし、日本海側で唯一の航空博物館として航空文化の振興と教育・観光の拠点にしたいとの思いがあったとみられる。

館内の展示スペース
ミス・ビードル号

 ちなみに、三沢は、初の国産輸送機となった「YS-11」の設計者である木村秀政ゆかりの地であり、日本初の民間飛行士・白戸榮之助の出身地でもあることから飛行機の町としても知られ、三沢は航空自衛隊と米空軍が共同使用する航空作戦基地で、民間航空も共用する軍民共用飛行場(三沢空港)としても運用されてきている。三沢基地は、もともとは1938年、旧日本海軍が建設した三沢基地であったが、終戦後、1945年に米陸軍に接収され、1972年に米海軍西太平洋航空隊傘下となり、1958年、自衛隊の北部航空方面隊司令部が発足して共同使用を開始してきた経過がある。 このため、三沢航空科学館は、軍用機を中心に歴史的な航空機が多く展示されているという特色がある。

展望デッキから見た展示航空機
ブルーインパルスT-2
空軍の「F-16A

・参照:航空科学館設置の背景 https://www.kokukagaku.jp/01_museum/0112_background.html
・参照:青森県立三沢航空科学館について(青森県立三沢航空科学館)https://kokukagaku.jp/overview/3490/
・参照:三沢基地の概要 (三沢市ウェブサイト -Misawa City-)https://www.city.misawa.lg.jp/index.cfm/12,23017,53,227,html
・参照:個人WEBサイト(Die Letzte Kampfgruppe)三沢航空科学館見学記録 ② http://kampfgebiet.server-shared.com/index_militar_17-2.html

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♣ 東京都立産業技術高等専門学校荒川キャンパス 科学技術展示館

所在地:東京都荒川区南千住8-17-1  03-3801-2144
HP: https://www.metro-cit.ac.jp/community/pavilion.html

荒川キャンパス 科学技術展示館

 → 都立産業技術高等専門学校の科学技術展示館には、前身である東京都立航空工業高等専門学校時代から教材として使用されてきた歴史的価値が高い各種工学機器類が展示・保存されており、特に、航空機関係の展示物では日本でも有数のコレクションを誇っている。 ちなみに、日本航空協会から”戦後航空再開時の国産航空機群”として重要航空遺産の認定を受けている。現在も、館内には高等専門学校の学生たちへの授業などで、実際に教材として使われている飛行機が展示されていて、、航空産業界の人材育成の場であることを実感できる。 主な展示品として飛行機(9機)、ヘリコプター(5機)、航空用ピストンエンジン(9台)、航空用タービンエンジン(5台)などがある。

所蔵展示の航空機
東洋航空TT-10練習機
飛行整備j訓練

・参照:実物の航空機が見られる博物館&資料館11選(じゃらんニュース)https://www.jalan.net/news/article/609277/#04
・参照:東京都立産業技術高等専門学校 科学技術展示館(のりもの博物館)https://www.transport-pf.or.jp/norimono/museum/tskak/
・参照:都立産業技術高等専門学校(荒川キャンパス)科学技術展示館(用廃機ハンターが行く)https://wrecks.hatenablog.com/entry/2021/07/03/110508

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♣ 石川県立航空プラザ

所在地:石川県小松市安宅新町丙92番地(小松空港前)0761-23-4811
HP: http://www.pref.ishikawa.lg.jp/aviation/

石川県立航空プラザ外観

   → 1995年に石川県の小松飛行場の北側に開設された日本海側では唯一の航空博物館。屋外および航空プラザ1階にはヘリコプター、航空自衛隊の戦闘機、パラグライダーなど飛行機実機が常設展示されている。また、YS-11や航空管制シミュレーターも体験することができる。2階には航空機の歴史や構造について模型などの展示が行われている。2019年まで使用された旧政府専用機(ボーイング747)の貴賓室も、防衛省が無償貸与する方式で展示されている。館内の主な展示としては、 F-104JスターファイターとT-33A(航空自衛隊)、ピラタス PC-6、ドルニエDo-28A、OH-6J(陸上自衛隊、ヘリコプター)。屋外にはHSS-2B 対潜ヘリコプター(海上自衛隊)、KM-2(海上自衛隊)、T-2ブルーインパルスなどがみられる。

館内の航空機展示
旧政府専用機の貴賓室

・参照:航空プラザ|小松市まちづくり市民財団https://komatsu-ccf.x0.com/culture/aviation_plaza/
・参照:石川県立航空プラザ – Wikipedia
・参照:旧政府専用機の貴賓室公開 石川県立航空プラザ – 日本経済新聞https://www.nikkei.com/article/DGXMZO60087700Y0A600C2910E00/

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♣ 岐阜かかみがはら航空宇宙博物館

所在地:岐阜県各務原市下切町5丁目1番地 058-386-8500
HP: http://www.sorahaku.net/

かかみがはら航空宇宙博物館外観

 → 岐阜県に1996年開設された通称が空宙博(そらはく)と呼ばれる航空と宇宙の両方の展示を行っている専門博物館。このうち「航空エリア」では、人類の航空技術開発の歴史と逸話を紹介しており、本物の飛行機やヘリコプター、探査機の実物大模型など50機以上を展示し、実機展示数は国内最多を誇っている。館内には、所在地各務原で生産され世界で唯一現存する実機「飛燕」(二型)や同地で初飛行を行った十二試艦上戦闘機「零戦試作機」の実物大模型などが展示されていて珍しい。周辺には日本最古の飛行場で航空自衛隊の飛行開発実験団が所在している「岐阜基地」や、日本では数少ない航空機製造工場である川崎重工業岐阜工場が反対側にあり、「飛行機の街・各務原」の中心となっている。 ちなみに、「宇宙戦艦ヤマト」や「銀河鉄道999」の作者である松本零士が開館時から2021年(まで名誉館長を務めている。

館内の航空機展示場
十二試艦上戦闘機
「飛燕」(二型)

 館内の展示構成をみると、1階の展示エリアでは、航空機と航空機産業の始まり、戦前・戦中の航空機開発、戦後の航空機開発、航空機のしくみ、となっており、それぞれのテーマに応じた航空機の展示・解説が行われている。
 まず、「航空機と航空機産業の始まり」では、ライト兄弟のライトフライヤー(模型)、各務原で量産された最初の飛行機の乙式一型偵察機(模型)、「戦前・戦中の航空機開発」では、ハンス・グラーデ1910年型単葉機(1/1模型)、三式戦闘機二型「飛燕」、十二試艦上戦闘機(1/1模型)がある。

ライトフライヤー
乙式一型偵察機
十二試艦上戦闘機(模型)

  「戦後の航空機開発」コーナーには、KAL-1 、T-33A ジェット練習機、F-104J 要撃戦闘機、T-1B 練習機、FA-200改 STOL実験機、低騒音STOL実験機「飛鳥」など20機以上の実機が開発年代ごと展示されている。「最後の航空機のしくみ」では、飛行機の飛ぶしくみの解説、旅客機や小型ジェット機の操縦などの体験ができる。また、屋外展示では、日本航空機製造 YS-11A-500R、救難飛行艇US-1A、P-2J対潜哨戒機、川崎 V107-Aヘリコプターなどがある。
(宇宙関係エリアでは、各種ロケット、宇宙衛星などの展示があるが、ここでは割愛している。)

KAL-1
F-104J 要撃戦闘機
STOL実験機「飛鳥」

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♣ 航空自衛隊浜松広報館「エアーパーク」

所在地:静岡県浜松市西区西山町無番地 航空自衛隊浜松広報館(エアーパーク)053-472-1121
HP: https://www.mod.go.jp/asdf/airpark/

航空自衛隊浜松広報館gaikann

  →  浜松広報館は1999年にオープンした航空自衛隊初の博物館形式の広報施設。ここでは、自衛隊が運用している戦闘機、練習機、ヘリコプターやその装備品など広く展示している。航空自衛隊のパイロットのフライトスーツ及びヘルメットなどを体験試着もできるという。また、航空機のフライト・シミュレーターや全天周シアター、ブルーインパルスコーナーなどの設置もあり、航空自衛隊の活動や活動してきた航空機の概要を知ることが出来る。 展示機種・装備品としては、第三世代ジェット戦闘機F-1 (90-8225)、全天候要撃機F-86D セイバー(84-8104)、ブルーインパルスF-86F (02-7960) 、 ジコルスキーSS、アンサルド SVA9複葉機 (13146)、地対空誘導弾ナイキJ、旧日本軍零式艦上戦闘機52型など多数が展示公開されている。

館内展示航空機
ヘリなど対応航空機
最新戦闘機F-1

・参照:浜松広報館 – Wikipedia
・参照:https://www.transport-pf.or.jp/norimono/museum/khke/

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♣ 静岡理工科大学 静岡航空資料館

所在地:静岡県牧之原市坂口2053-1  Tel. 0548-29-1515
HP: https://sist-net.ac.jp/about-group/shizuoka-aviation-museum/

静岡理工科大学 静岡航空資料館

 → この静岡航空資料館は、もともとは静岡理工科大学・理工学部(航空工学コース)の学生研修向けに整備を始めた施設であったが、企業のバックアップもあり有力な航空資料館となった博物館。「見て・学んで・体験して」をテーマに、航空に関する歴史を一般に伝えようと2013年に大学によって設立された。展示品としては、セスナ等の実機をはじめ、旧交通科学博物館より貸与された歴代の航空機用エンジンや航空機模型、航空保安大学校から譲渡された航空管制実習装置、株式会社タミヤから寄贈された航空機プラモデル約100機などがあり、フライトシミュレーターも体験できる。コレクションの中には、太平洋戦争のゼロ戦に搭載されていたハー45型誉エンジン(栄エンジンの後継のエンジン)もあり、唯一日本に残っている貴重なエンジンとなっている。

セスナ等多数の航空機展示
航空管制実習装置
ハー45型誉エンジン

・参照:静岡理工科大学 静岡航空資料館https://www.transport-pf.or.jp/norimono/museum/sks/
・参照:航空の歴史についてく学べる静岡航空資料館(牧之原市静岡新聞アットエス)https://www.at-s.com/life/article/ats/1475668.html
・参照:インターネット航空雑誌ヒコーキ雲(静岡理工科大学静岡航空資料館)http://hikokikumo.net/a4541-1-SizuokaRikokaUniver.htm
・参照:https://ameblo.jp/alleyoop-fujieda/entry-12484141900.html

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♣ あいち航空ミュージアム

所在地:愛知県西春日井郡豊山町大字豊場(県営名古屋空港内)Tel. 0568-39-0283
HP: https://aichi-mof.com

あいち航空ミュージアム外観

→ 県営名古屋空港内にある航空機をテーマとしたミュージアム。名古屋空港で初飛行したYS-11や三菱ビジネスジェット機MU-300、現行のT-4ブルーインパルスなどの実機展示を間近で見ることができる。また、愛知県の航空機産業の歴史と発展の映像、パイロットや整備士の「職業体験」、航空機の飛ぶ仕組みを学べる「サイエンスラボ」など体験プログラムも充実している。
 展示を見ると、1階展示場には、愛知県ゆかりの機体7機を展示のほか、MH2000の分解展示や航空機の部品の多様性を学ぶ「“飛行”の解剖図鑑」、大画面スクリーンによる遊覧飛行シミュレーションシアター「フライングボックス」などがある。また、2階 展示場では、日本の航空史に名を残した名機100種の1/25スケールの精密模型、愛知県の航空機産業の歴史と発展を大画面の3Dシアターで紹介する「オリエンテーションシアター」、上記「サイエンスラボ」がある。

航空機展示場
YS-11
MU-300

  ちなみに、愛知県は国際戦略総合特区「アジアNo.1航空宇宙産業クラスター形成特区」の指定を受けて、航空宇宙産業の育成・振興に取り組んでおり、、名古屋飛行場周辺には古くから三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所(名航)が立地するほか、三菱航空機の組立工場を新たに建設するなど、航空機の開発・生産拠点となっている。あいち航空ミュージアムは、この一環として2017年に設立された。

・参照:https://www.transport-pf.or.jp/norimono/museum/akm/
・参照:あいち航空ミュージアム(空宙博ウェブサイト)https://www.sorahaku.net/about/cooperate/aichi/
・参照:あいち航空ミュージアム – Wikipedia

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♣ 航空館boon

愛知県西春日井郡豊山町大字青山字神明120-1 Tel. 0568-29-0036
HP: http://www.robotics-handbook.net/museum/kokukan-boon/index.htm

航空館boon建物
航空機展示

  → 愛知県が設置し豊山町が運営する航空機資料館。古屋空港航空宇宙館から移設した三菱MU-2A(3号機1963年製)と中日新聞社より提供を受けたヘリコプター「あさづる」(川崎ニューズ式369HS型)の展示のほか、飛行の原理を学ぶ展示、飛行機製造に関するパネル、飛行機用エンジンの進歩に関する実物展示、ハングライダーなども展示されている。近くにJAXA名古屋空港飛行研究拠点があり関連展示が館内に設けられている。また、「名古屋空以降の歴史とこれから」というパネル設置もある。
 ・参照:豊山町公式ウェブサイト https://www.town.toyoyama.lg.jp/

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♣ SKY MUSEUM(日本航空株式会社)

所在地:東京都大田区羽田空港3-5-1 JALメインテナンスセンター1
HP: https://www.jal.com/ja/kengaku/

JAL SKY MUSEUM

  → ミュージアムでは社会貢献活動の一環として航空機の格納庫見学、飛行機の仕組みを解説する航空教室を設けているほか、展示エリアではJALの史料を公開、JALのユニフォームデザイン、機内誌、飛行機の型式などを通じて日本航空の歴史を見ることができる。見学のハイライトは格納庫で、メンテナンスチェックを行う巨大な飛行機を間近で見ることができる。
 ・参照:見学プラン|JAL SKY MUSEUM|JAL企業サイトhttps://www.jal.com/ja/kengaku/info/

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♣ 日本航空安全啓発センター

所在地:東京都大田区羽田空港3丁目5−1
HP: https://www.jal.com/ja/safety/center/

日本航空安全啓発センター入口

  → 1985年、御巣鷹山に墜落したJAL123便の事故の教訓に安全運航の重要性を再確認する場として、2006年に設けられた日本航空の安全啓発センター。展示室と資料室2つの部屋から構成されている。展示室では、当該事故の直接原因とされる後部圧力隔壁や後部胴体をはじめとする残存機体、コックピット・ボイスレコーダー、遺品、乗客の遺書、新聞報道や現場写真を展示すると共に、事故の状況をVTRで再現、資料室では、世界の主な事故や教訓に基づいた改善を示す「航空安全の歩み」、「被害の拡大を防いだ事例」などが展示されている。

損傷機体の展示

・参考(見学)予約に際してのご案内 https://spc.jal.com/original_page.php?id=1
・参考:日本航空安全啓発センター – Wikipedia
・参考:失敗体験施設名鑑 https://www.shippai.org/shippai/exhibit/index.php

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♣ ANAブルーハンガーツア(機体工場見学)

東京都大田区羽田空港3-5-5 03-6700-2222
https://www.anahd.co.jp/group/tour/ana-blue-hangar/

ANAブルーハンガー

 → 日ごろ見ることのできないANAグループの整備部門を見学するツアー。飛行機の大きさや音、におい、振動など、その迫力を間近に体感しながら、働く整備士の姿を見ることができる。新たなエリアとして体験型見学施設が加わり、実物大の垂直尾翼のほか、実際の工具や部品に触れることができるコーナーなどもある。
 ・参照:ANA Blue Hangar Tour(子供とお出かけ情報「いこーよ」)https://iko-yo.net/facilities/354
 ・参照:工場見学に行ってきました(神奈川産業振興センター)https://www.kipc.or.jp/blog/ana/

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♣ フライト・オブ・ドリームズ(愛知県)

所在地:愛知県常滑市セントレア1-1 Tel. 0569-38-1195
HP: https://www.centrair.jp/flight-of-dreams/

フライト・オブ・ドリームズ

  → ボーイング787実機の展示をメインとし施設で、ボーイング創業の街シアトルをテーマとした複合商業施設の一部として設けられている。1階フライトパークでは、楽しく航空や空港に触れることができ、フライトシュミレーターも体験できる。2015年に飛行試験機としての役目を果たしたボーイング787初号機(ZA001)がセントレアに寄贈され、2018年10月にオープンした。

館内展示
ボーイング787

・参照:フライト・オブ・ドリームズ(のりもの博物館)https://www.transport-pf.or.jp/norimono/museum/fod/

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♣ ドローンミュージアム&パークみの(ドローン博物館)

所在地:岐阜県美濃市曽代117-14 Tel. 0575-38-9025
HP: https://roboz.co.jp/service/museum/

ドローンミュージアム外観

  → 2021年にオープンしたドローン専門の博物館。大小様々なドローンや産業活用されている高性能なドローン、ハイスピードで飛ぶレース用ドローンなど100台以上のドローンが展示されている。館内では、室内ドローン操縦体験やプログラミングドローン操縦体験、ハイスピードで飛ぶレースドローンを体感できる体験教室も実施している。

各種ドローンの展示
展示ドローン

・参照:ドローンミュージアム&パークみの(のりもの博物館)https://www.transport-pf.or.jp/norimono/museum/dmp/
・参考:株式会社ROBOZ https://roboz.co.jp/

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♣ ミツ精機株式会社「翼の広場」(兵庫県)

所在地:兵庫県淡路市下河合301番地 Tel. 0799-85-1133
HP: https://www.mitsu.co.jp/about/#link-02 

ミツ精機株式会社

  →「翼の広場」はミツ精機本社内に設けられた自衛隊航空機などの展示施設。航空機部品製作における品質向上、航空科学教育の普及、航空思想の向上を目的として一般にも公開している。

展示場の外観図
T-1B ジェット戦闘機

・参照「翼の広場」展示機の紹介https://www.mitsu.co.jp/wp-content/uploads/2025/02/9934675680a92d9125003e3cd45e95a0.pdf

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♣ 鹿屋航空基地史料館(鹿児島県)

所在地:鹿児島県鹿屋市西原三丁目11番2号
HP:https://www.mod.go.jp/msdf/kanoya/toukatu/HPzairyou/1-8siryoukann/1-8siryoukann.html

鹿屋航空基地史料館

  → この自衛隊の史料館は、愛称「鹿屋スカイミュージアム」で知られる航空機の展示施設。1973年に開館し、93年に「新史料館」としてリニューアルオープンした。日本海軍・鹿屋航空基地時代から現代の海上自衛隊に至るまでの写真や文献、実機(復元)等を展示している。資料館2階フロアは、旧海軍時代の「海軍精神」、「実力の養成~海軍航空隊の発展~」、「海軍航空兵力の興亡~航空用兵思想の変遷」、「特攻作戦」などのテーマ別展示コーナーとなっており、垂水市浜平の海岸で引き揚げられた「零式艦上戦闘機52型丙」の展示もみられる。また、一階フロアでは現在の海上自衛隊の装備が展示されおり、過去・現在の自衛隊の姿が紹介されている。屋外展示もあり、過去に装備されていた二式大型飛行艇(大日本帝国海軍)、US-1A(海上自衛隊)、P-2J(海上自衛隊)などの実物もみられる。

零戦の展示
零戦コックピット
二式大型飛行艇

・参照:海上自衛隊鹿屋航空基地史料館(かのやファン倶楽部)https://www.kanoya.in/sightseeing/kokukichishiryokan/
・参照:鹿屋航空基地史料館 – Wikipedia

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♣ 知覧特攻平和会館

所在地:鹿児島県南九州市知覧町郡17881番地
HP: https://www.chiran-tokkou.jp/ 

 知覧特攻平和会館外観

 → 特攻平和会館は、太平洋戦争末期の知覧基地から飛び立った「特別攻撃隊」(特攻隊)に関係した各種資料、展示物を収集・紹介し、且つ恒久平和を祈念する目的で建設された博物館施設。平和会館には、写真、遺書などの遺品約4,500点、特攻隊員の遺影1,036点などが展示されている。また特攻で使用された戦闘機の実機、兵舎(三角兵舎)、飛行学校の正門なども展示物となっている。また、知覧特攻平和会館が建てられている場所とその周辺は、知覧平和公園として今は整備されている。

開館のロビー展示場
出撃特攻機の展示

     

  航空機についてみると、(1)零式艦上戦闘機五二型、(2)四式戦闘機「疾風」I型甲、(3)一式戦闘機「隼」II零式艦上戦闘機五二型Iのレプリカ型などが展示されている。前者は、甑島沖約500mに沈んでいたものを引き上げ修復したもので損傷が大きい。(2)は、唯一原型を留めた機体で、戦前、成長を遂げた航空機産業の歩みを物語る近代化産業遺産群」として近代化産業遺産に認定されている。

海中から引き上げられた
零式艦上戦闘機
四式戦闘機「疾風」
一式戦闘機「隼」

 これら飛行機及び関係資料の展示は、先の戦争末期、「特攻」という形で亡くなった多くの若い命の鎮魂とともに悲惨な戦時の記憶をとどめるものとなっている。

❖ 知覧飛行場と特攻隊基地の歴史

知覧飛行場跡

  知覧平和記念館のある場所は、元は太平洋戦争以前、福岡県「大刀洗陸軍飛行学校」の知覧分教所(知覧教育隊)の所在地であった。1941年、日本陸軍の知覧飛行場が完成してからは飛行学校分教所として飛行操縦を教育する場となり、少年飛行兵等の訓練に使われるようになった。しかし、戦局悪化により沖縄が戦場になると、参謀本部は特攻隊の編成を発令したことで九州の南端にある知覧飛行場は、特攻隊出撃基地ととなり、第二十振武隊を皮切りに特攻出撃の最前線となっていった。知覧を含む九州の各航空基地から出撃した特攻機は当初こそアメリカ軍に大きな損害を与えたが、米軍は対策を講じ次第に日本軍機は打ち落とされるようになっていった。それでも日本側は無謀な「体当たり攻撃」を継続して多くの若者を死に追いやる結果となった。知覧基地が本土最南端だったということもあり最も多く、全特攻戦死者1, 036名のうち、439名、全員の半数近くが知覧から出撃している。特攻に参加した隊員は20歳前後の若い隊員が多く、少年飛行兵や学徒出陣の士官らが全国から集められていた。そして、1945年8月の終戦後、12月には米海兵隊が進駐、知覧基地内にあった武器や残された特攻機は破壊処分が行われている。

知覧からの出撃地図
特攻隊員が暮らした三角兵舎
特攻基地`指揮所」跡

  その後、1950年代、地元民や元特攻隊の関係者などから、戦死者慰霊のため記念碑を作るべきとの声が上がり、1955年9月、陸軍航空隊知覧飛行場跡地に「特攻平和観音堂」が建立された。そして、基地跡地に作られた運動公園に休憩所を新築、その2階を特攻隊員の遺品や遺書を展示する「知覧特攻遺品館」として整備が進んだ。1987年になるお「知覧特攻遺品館」が手狭となったこともあり、知覧町が5億円の予算を投じて「知覧特攻平和会館」を建設、老朽化した「特攻平和観音堂」も2004年に改築され、隣接する運動公園は含めて「知覧平和公園」となった。

・参照:知覧特攻平和会館 | 航空特攻作戦の概要https://www.chiran-tokkou.jp/summary.html
・参照:知覧特攻平和会館 – Wikipedia

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♣ 筑前町立大刀洗平和記念館

所在地:福岡県朝倉郡筑前町高田2561-1 Tel. 0946-23-1227
HP: http://tachiarai-heiwa.jp/

大刀洗平和記念館外観

  → 大刀洗平和記念館は、福岡県筑前町に開設された戦争歴史資料館。旧日本陸軍戦闘機、旧日本海軍零式艦上戦闘機をはじめ、太平洋戦争中の資料約1,800点が展示されている。知覧町には知覧特攻平和会館があるにもかかわらず、本校の大刀洗陸軍飛行場跡には何もなかったことを憂い1987年に開館されたもの。当初は、元で建設業を営んでいた渕上宗重が甘木鉄道太刀洗駅の旧駅舎を利用して開設された。その後、町立の博物館として設置されることになり、2009年、新たに筑前町立大刀洗平和記念館として開館している。

旧航空教育隊正門
収蔵航空機の展示場
零式艦上戦闘機

  展示されている博多湾から引き上げられた九七式戦闘機、旧海軍の零式艦上戦闘機三二型は、現存する世界唯一の実機となっている。この他にMH2000が保存展示されているほか、(ゴジラ-1.0の撮影のために製作された震電の実物大模型もみられる。また、1945年3月に襲った太刀洗大空襲の資料や犠牲者の遺影も展示されている。周辺には、旧第五航空教育隊正門、旧飛行第四連隊(飛行学校)正門、監的壕、掩体壕、太刀洗航空機製作所跡、平和の碑などがある。

・参照:戦跡マップ – 大刀洗平和記念館http://tachiarai-heiwa.jp/warmap/
・参照:筑前町立大刀洗平和記念館(福岡県の観光「クロスロードふくおか」)https://www.crossroadfukuoka.jp/spot/10057
・参照:筑前町立大刀洗平和記念館 – Wikipedia

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(了)

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