時計の博物館―精密機械のミュージアムー(博物館紹介)

   ―暦と時からみる生活文化の系譜と日本のものづくり技術の展開―

(作業中)

 時計という精密機械の歴史的な発展の姿から、これまで科学と技術がどのように変化してきたのか、時計技術者の“ものづくり”の姿勢や社会変化がどのように社会文化や技術発展に関わってきたのかを考えるのは重要なテーマであろう。ここでは時計の博物館の紹介を通じて技術の継承と時代によって変化する社会洋式のありようなどを考察してみたい。取り上げるのは、国立科学博物館、セイコーミュジアム、シチズンミュージアム、松本市時計博物館、時計工房儀象堂、大名時計博物館、近江神宮 時計館宝物館などである。

♣ 国立科学博物館 地球館科学技術史・時計セクション

所在地:東京都台東区上野公園7−20
HP: https://www.kahaku.go.jp/research/department/sci_engineer/collection/watch.html

科学博物館 科学技術史コーナー

 → 国立科学博物館には、近代科学の進歩を踏まえ、日本がどのように「暦」と「時計」を発展させきたかを示す歴史コーナーがあり非常に参考になる。古代の時計、江戸期における各種時計の古くからの歴史がみられるほか、明治以降に製作された西洋式の柱時計、置時計、懐中時計など多数を展示し、時計産業の近代化過程を紹介している。特に、博物館では、日本における「和時計」の発達を近代機械技術の基礎として重視して展示しており、詳しい解説と実物展示を行っている。

<生活時計である不定時法の和時計展示>

不定時法の暦表
改良和時計

  四季の変化が著しい日本では、歴史上、生産活動、社会生活において「時」は重要な役割を果たしており、昼夜の長さの時刻計測は重要な生活指標であった。江戸時代前の日本では、夜明けと日暮れで1日を昼と夜に分け、それぞれを六分割して表示するのが基本だった。これは、時間単位が昼と夜で異なるだけでなく、季節、場所によっても変化する「不定時法」といわれるものであった。この「時」を知る装置として、西洋の機械時計に工夫を加え改良したのが「和時計」という。ちなみに、西洋の機械時計が日本に伝えられたのは室町時代の半ばといわれる。しかし、「定時法」を表示する西洋の機械は、不定時法を用いていた日本では使うのが困難であった。時計師たちは、この時計機構に改良を重ね、不定時法を表示する機械時計「和時計」を開発製作した。江戸期における重要な発明といえるだろう。和時計の中に仕組まれた「てんぷ機構」や「割駒式文字盤」は不定時法に対応するように日本独自で工夫された機構であり、これが和時計の重要な特徴となっている。

オルゴール枕時計
二挺天府櫓時計
割駒式尺時計など

 展示を見ると、和時計では、江戸時代以前からあった香時計(常香盤)、太鼓時計などの展示だけでなく、一挺天府櫓時計、二挺天府掛け時計、枕時計、割駒式尺時計、釣鐘時計、重力時計、印籠時計、懐中時計など貴重な和時計が多数陳列されており、訪問者は時計の歴史的な位置づけや特徴を詳しく見ることができる。

<明治以降の定時法の定着と時計産業発展を示す展示>

展示された明治以降の時計
明治最初の掛け時計
最初の腕時計ローレル

 明治初年に暦が太陽暦と替わり「定時法」が採用されと、従来使われてきた不定時法の和時計は使えなくなり、1889年(明治22)製作の掛時計を最後に和時計の歴史は終わる。そして、1890年代には掛時計と置時計の国産化、少し遅れて懐中時計の国産化が進み近代時計製作の時代がはじまる。これらを主導したのはセイコーなど時計産業の新興メーカーであった。まず、1895年に生まれた懐中時計(タイムキーパー)があげられる。1899年には目覚置時計、1902年には懐中時計「エキセレント」、1913年には、国産初の腕時計「ローレル」などが生み出されている。

クオーツ式腕時計

その後、日本の時計産業は大きく発展し、戦後の1964年には、スイス天文台のコンクールで日本の機械時計が好成績を収め、時計技術が世界水準に達したことが証明される。また、1969年のクオーツ式腕時計を開発は、それ以降、腕時計生産では世界をリードするまでに進化している。そのた、各種電子時計の開発でも躍進は著しいものがある。 博物館の収蔵・展示品では、これら明治以降、現代につながる時計産業の発展の姿や成果を強調しているのがみられる。日本のものづくりの進化を伝えるものといえるだろう。

<江戸時代の匠技を伝える田中久重の万年時計の展示>

万年時計
田中久重
右の内部構造

 展示されている万年時計は、幕末から明治にかけて活躍した技術者田中久重により、1851年(嘉永4)に製作されたゼンマイ駆動の美術和時計で、江戸時代の機械製作の粋を示すものとして高く評価されている。頭部には不定時法時刻を示す割駒式文字、二十四節気、七曜と時打ち、旧暦日付・月満ち欠け表示などを示す文字盤、月と太陽の出没を示す天象儀などが一体になって表示できる大型置時計で、美術的にも最高の制作となっている。博物館では、この万年時計は精密工作技術の高さと自然科学知識の深さを示す傑作として、日本近代科学技術史「科学技術への誘い」のシンボルとして特別展示している。田中久重は、明治期に東芝の基礎を築くなど、江戸期から明治期へ科学技術の橋渡し役を果たした人物であり、この万年時計はこの田中の活躍を示す歴史的記念物である。明治期に日本が西洋の科学技術の導入ができたのは、田中のような先駆的な技術者の活躍と知識の集積があったこと大きな要因であることは疑いない。この意味でも、万年時計の展示は意味深い。

・参照:科学技術館のアンティーク時計の収蔵資料一覧 ―和時計の世界― https://shinkan.kahaku.go.jp/kiosk/50/nihon_con/S1/KA3-1/japanese/TAB1/index.html
・参照:科学技術館のアンティーク時計の収蔵資料一覧 ―現代の時計産業― https://shinkan.kahaku.go.jp/kiosk/100/nihon_con/S1/KA3-1/japanese/TAB2/index.html

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♣ セイコーミュージアム銀座

所在地:東京都中央区銀座4丁目3-13セイコー並木通りビル Tel. 03-5159-1881
HP: https://museum.seiko.co.jp/
・参考:時計の博物館「セイコーミュージアム銀座」を訪ねるhttps://igsforum.com/2025/03/16/visit-seiko-ginza-m-jj/

セイコーミュージアム銀座

→ セイコーミュージアムは、もともとは1981年、セイコー創業100周年の記念事業として設立されたものだが、2020年に、創業者・服部金太郎の創業した銀座の地へ移転し、改めて「セイコーミュージアム銀座」として開設した時計博物館である。ここでは、セイコーの製品の紹介やセイコー社の歴史だけでなく、古来の日時計から和時計なども含めて広く時計の成り立ちや世界の時計について解説する総合展示ミュージアムとなっている。

館内の時計展示場
セイコーの沿革展示
スポーツの極限計測装置

 展示は、テーマ別に、セイコーの創業と発展を伝える「はじまりの時間」と「時代の一歩先を行く」、時計技術の歴史を示す「自然が伝える時間から人がつくる時間」、セイコーの歴代時計製品を展示する「精巧な時間」と「いろいろな時間」、そしてスポーツ時計の「極限の時間となっている。また、セイコーのブランド製品「グランドセイコー」のコーナーが新たに設けられた。主な展示品としては、テーマにしたがって、自然の力を利用した古代の時計、新旧の世界の機械式時計、歴史的な記念時計、不定時法の和時計、時計に関する錦絵などが丁寧に陳列されている。また、セイコー自身が歴代製作してきた多彩なクロックとウオッチの作品展示は社歴と共に紹介されていて多彩である。また、服部金太郎の経営や精工舎創業に関わるエピソードも興味深い内容となっている。このうち幾つかを紹介してみる。

<世界の時計―古代から近世までーの展示>

15世紀の機械式時計

 展示室に入ると紀元前から使われていた「日時計」がみえる。紀元前3000年前後のものの複製であるが、当時の姿をよくとどめている。また、各地で古くから使われた砂時計、水時計などの模型、日本の「線香時計」というものもある。いずれにしても、機械式時計が生まれる前、日光や砂、水といった自然物をつかった道具が人々に用いられていたことが分かる展示である。機械時計が生まれたのは13世紀頃以降であるようだが、ミュージアムには1500年頃作られた「鉄枠塔時計」の模型が展示されている。これが最古の機械式時計と同じ構造であるという。また、この展示コーナーには、1700年頃の「ランタンクロック」、1800年代の振り子時計「ビッグベン時計塔時計」のプロトタイプ、フランスで作られた工芸的な懐中時計「からくり押打ち鍵巻懐中時計」(1800s) など、時計の歴史を見る上で貴重な展示品が数多く並べられている。

古代の自然時計(日・水・砂など)
「鉄枠塔」時計などの展示

<日本の時計「和時計」の世界>

江戸時代の印籠時計

 この博物館展示のうち圧巻なのは「和時計」展示である。江戸時代を中心に、当時の工・芸技術の粋を集めた日本仕様の歴史的な機械時計が数多く展示されている。ちなみに、日本に初めて機械式の時計がもたらされたのは、17世紀ポルトガルであったといわれる。その後、日本独自の工夫と技術が加えられ日の出から日没までの時間を分割して時を告げる“不定時制”による「和時計」の製作となった。これは美術品としても珍重され、改良も加えられ様々な形の時計が作られている。それらは現在の眼で見ても感心させられる精巧な機械装置を持っており、芸術性の高い時計でもある。明治以降は、太陽暦となって「和時計」自体は制作されなくなったが、そこで培われた機械加工の技能は次代にひきつがれた。ミュージアムでは、各種和時計の展示と共に“不定時制”にいて詳しく説明を加えている。

江戸時代の和時計 (1)
江戸時代の和時計 (2)

<展示からみる<セイコーの創業と発展>

服部金太郎
銀座の服部時計店
初の掛時計

 ミュージアムの2階はセイコー創業者服部金太郎の生涯とセイコーの発展を描く展示コーナーとなっている。これによれば、金太郎は1860年(万延元年)京橋に生まれ、13歳の時、上野の坂田時計店で時計の修理や販売を学び時計づくりを目指したという。そして、明治4年(1886)、夢を実現すべく京橋采女町に「服部時計店」を創業。店は持ち前の才覚で事業を拡大、明治20年には銀座の表通りへの進出を果たし、明治28年には銀座四丁目の角地(現在の和光)を購入するまでになる。元から時計の国産化という目標を抱いていた金太郎は、1892(明治25)年、技術者吉川鶴彦と共に時計の販売資金を元手にして国産の時計製造に乗り出す。このとき生まれたのが「ボンボン時計」と呼ばれた掛時計であった。明治22年に会社名も「精工舎」と改めている。創業20年後の明治44年には国産時計の約60%を精工舎の時計が占めるまでになっている。

<展示からみえるセイコーの発展と歴代の時計製品> 

 このセイコー社の時計開発の歩みについては、展示テーマ「精巧な時間」と「いろいろな時間」のコーナーで実物見本と共に解説で詳しく紹介されている。
  代表的なものをみると、まず、1895(明治28)年に国産時計の地歩を築いた懐中時計(タイムキーパー)があげられる。

タイムキーパー
エンパイヤ
ローレル

 7年後の1899(明治32)年には目覚し時計を開発、1902(明治35)年には懐中時計「エキセレント」、1909(明治42)年には大衆向け懐中時計「エンパイヤ」、そして1913(大正2)年には、国産初の腕時計「ローレル」と矢継ぎ早に商品化を進めていることがわかる。しかし、1923年の関東大震災がセイコーにも大きな打撃を与えた。展示コーナーには、このとき焼け落ちた時計の残骸が並べられおり被害の大きさがわかる。この震災被害にもかかわらずセイコーは、翌年に時計製作を再開、ブランド“SEIKO”を誕生、1929年(昭和5年)には鉄道時計「セイコーシャ」を生み出すなど復元力の確かさを示している。

クオーツ時計の解説展示
アストロン

 また、戦時中事業は中断するも、戦後におけるセイコーの躍進はめざましく、世界初の水晶腕時計「クオーツアストロン」を発売した。展示には、この経過と共に実物が現示されている。 そのほか、展示されたセイコーの歴代の時計製品では、「クレドール」などデザイン製のあふれた腕時計、新技術の「スプリングドライブ」(1999)、セイコーのブランド「グランドセイコー」など多様な製品が年代毎に豊富に展示されている。また、掛時計などでは、時打振子式電池掛時計(1961)、あそび心の「メリーゴーランドクロック」(1990)や「ファンタジア」(1998)、衛星電波クロック(2013)、中国北宋時代の「水運儀象台」を模した美術時計など多様である。

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♣ シチズン・インターネット・ミュージアム

所在地:東京都西東京市田無町6丁目1-12
HP: https://citizen.jp/event2022/newproduct/2nd/museum/ (シチズンウオッチ サイト)

 → シチズンミュージアムは西東京市シチズン本社の中に開設されているが、残念ながら一般には公開されていない。しかし、インターネット上で展示の内容や製品、シチズンの歴史について詳しく紹介している。まず、「シチズン・タイムレス・シティ」のバーチャル空間を作り、擬似的な商品のショールームなどを提供、シチズン時計の最新モデルから過去の名作時計を紹介している。

 シチズンは、時計製作を行うほか、精密工作機械でもスイス式自動旋盤の「シンコム」(Cincom)ブランドで名高井メーカー。かつては腕時計のムーブメントの生産量で世界第1位を誇り、日本国内最大手、世界シェアの3割以上を持っていたという。 時計では優れたデザイン性と高い機能を誇っており、広く世界に市場を持っている。このことからかミュージアムでも英語による商品紹介が目立っているようだ。シチズンの時計製品はクオーツ式が主流で、主にチタン外装や表面硬化技術(デュラテクト)、太陽光発電(エコ・ドライブ)・電波修正などの最新の技術を駆使した製品が多い。
 インターネットで紹介されている幾つかの製品をあげてみると、まず、1976年発表の、世界初の太陽電池充電のアナログ式クオーツ腕時計「クリストロン ソーラーセル」、光で駆動を持続する “エコ・ドライブ”シリーズの「Eco-Drive 365」、「ダイレクトフライト」「エコ・ドライブ サテライトウエーブ GPS」、創立65周年を記念して誕生した「The CITIZEN」、「プロマスター SKYシリーズ」、「エクシード CB1080-52L」、エレガントなレディース腕時計「クリストロン メガ」などが例としてあげられている。

<シチズンの創業と時計づくりの歴史>

山崎亀吉
1930年代の田無工場

 懐中時計のケースなどを製造する尚工舎を経営していた山崎亀吉が、海外視察時に見聞した時計産業の発展に着目し、1928年に尚工舎時計研究所を設立したのがシチズンのはじまりといわれる。1924年に懐中時計「CITIZEN」を発売、これが社名の基となった。山崎は、同じく時計の国産化を目指していた中島與三郎と鈴木良一とともに、1930年、シチズン時計株式会社を設立させている。その後、1936年、当時機械産業の集積地となっていた北多摩郡田無町に田無工場を完成させ本格的な時計製作に着手する。その2年後、1938年、政治的配慮から社名を「大日本時計株式会社」へ変更、戦時中は時限信管など兵器の製造を行っている。戦後はGHQによる工場の賠償指定などを受けたが、1948年に時計製作に復帰、社名も再び「シチズン時計株式会社」としている。また、電磁テンプ式時計の国産化にも成功、米ブローバ社と共に「ブローバシチズン」(現・シチズン電子)も設立して音叉式腕時計の国産化にも成功している。その後はセイコーに次ぐ国内第2の時計メーカーとして成長している。

 1970年代には、チタニウム腕時計、アナログ式太陽電池時計、90年代には電波時計、2000年代にはGPS腕時計、光発電腕時計、新型機械式ムーブメント時計などを次々に開発している。これらは製品紹介で既に触れた。

・参照:シチズンの系譜 | シチズンの歴史 https://www.citizen.co.jp/history/genealogy/index.html
・参照:シチズン時計・尚工舎の概要 – 日本の時計会社の歴史 http://www.kodokei.com/ch_014_2.html
・参照:ブランド・ シチズンウオッチ[CITIZEN-シチズン] https://citizen.jp/brand/index.html

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♣ 樫尾俊雄発明記念館「時の部屋」

所在地:東京都世田谷区成城4-19-10
HP: https://www.casio.com/jp/watches/
HP: https://kashiotoshio.org/invention/#room4

 → カシオの成り立ちは、樫尾家の四兄弟が電子式計算機「14-A」を開発したことを基礎に、1957年、カシオ計算機株式会社を設立したことにはじまる。その後、計算機だけで電卓、電子文具などの情報機器、楽器、時計システム機器分野に進出して事業を拡大した。この技術開発の中心となったのが樫尾俊雄であった。この俊雄氏の功績を記念して建設されたのが樫尾俊雄発明記念館である。この記念館には、氏の発明家としての生涯を紹介する展示コーナーのほか、カシオが製作した様々な作品が「部屋」構成で展示されている。このうち「時の部屋」がカシオの時計製品の紹介コーナーとなっている。カシオの時計開発は、「時間は1秒ずつの足し算だ」と考え、計算技術を応用したと述べられているのが印象的である。

 展示場では、初めての腕時計カシオトロン(1974年)をはじめ、エレクトロニクス技術を駆使して独自の進化を遂げてきたカシオの時計が展示紹介されている。特に、1983年にリリースされた「G-Shock」コーナーは、この 腕時計は、落としても故障しない常識を覆すタフな腕時計だとして世界的なヒット商品となったことが強調されている。
「時の部屋」では、歴代の時計を次のようなコーナーに分けて展示構成している。

○ デジタル独自の多機能化 : デジタル技術を駆使した、データバンクやセンサーを用いた独自機能を搭載した時計
○ 正確な時刻の追求: 正確な時刻を提供するために開発した電波時計やGPSハイブリッド電波ソーラー時計、スマートフォンで正確な時刻を取得する最新の「EQB-600」など
○ 構造・外装・表示の多様化: 時計素材の既成概念を破った樹脂製時計の耐衝撃腕時計G-SHOCK、ELバックライトや2色成形バンドを採用した斬新なデザインを実現した製品群
  なお、記念館では、上記「時の部屋」のほか、「発明の部屋」「数の部屋」「音の部屋」「創造の部屋」があり、カシオの取り組みが紹介されていて参考になる。

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♣ 松本市時計博物館  (松本市立博物館付属施設)

所在地:長野県松本市中央1丁目21-15
HP: https://matsu-haku.com/tokei/shisetsu

 

松本市時計博物館 外観

→ 長野県松本市中央にある時計の博物館。松本市立博物館の分館として2002年開館した。時計コレクター本田親蔵氏から1974年に寄贈されたコレクションを中心に約400点の貴重な時計類を所蔵、また、市民から寄贈されたコレクションに加わり充実した時計博物館となった。こうち110点が常設展示されている。外壁には国内最大級(全長11m、振り子5.6m)の振り子時計が有名である。

館内インテリア
館内展示コーナー

 博物館の特徴は、時計をできる限り動いている状態で展示していることで、今まで以上にコレクションの魅力を引き出している。常設展示室を中心に、企画展示室、古時計ロード、時計工房、講座室、ミュージアムショップなどがあり内外の訪問者は多い。展示されている時計は歴史的なもののほか、装飾的なものが多い印象。また、学芸員が時計技師と仕事をする中で学んだことなどを発信する記事をインターネットで発刊しているので参考になる。

 なお、収蔵品については、「松本市時計博物館 収蔵品データベース」があり内容を確認できる:https://jmapps.ne.jp/matsumototokei/

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♣ 大名時計博物館

所在地:東京都台東区谷中2-1-27 電話 03-3821-6913
HP: https://www.museum.or.jp/museum/2351

大名博物館の入口

 → 大名時計博物館は、東京都台東区谷中の岡山・勝山藩下屋敷跡を利用した時計の博物館。1974年4月に開設された。陶芸家である上口愚朗により収集された江戸時代の大名時計が公開されている。施設はやや古めかしい建物となっているが、内部の時計はしっかり維持管理されている。展示品は、江戸時代の掛時計、櫓時計、尺度計、印籠時計、置時計、和前時計、香盤時計などである。時計の内部がわかるように覆いが外されていて、時計動作がわかるように係員がデモ運行をしてくれるのがうれしい。

博物館案内パンフ
大名時計の展示
時計の内部

 大名時計は、江戸時代に作られた代表的な和時計で、大名お抱えの時計師が長い年月をかけて手作りで製作した時計である。製作技術、機構、材質などが優れた「大名時計」は、美術工芸品でもあり世界に類のない日本独特のアンティークな時計となっている。この時計は不定時法を用いた時計で、夜明けから日暮れまで昼を六等分して表示している。このため、一時(いっとき)の長さが季節によって長さが変わっているのが特徴。

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♣ 時計工房 儀象堂

 所在地:長野県諏訪郡下諏訪町3289  電話 : 0266-27-0001
 HP: https://konjakukan-oideya.jp/儀象堂/

時計工房 儀象堂外観

 → 諏訪で時計づくり工房を持つ儀象堂が提供する時と時計のミュージアム。施設の中庭には、世界で初めて完全復元した「水運儀象台」があり、展示室には時計の歴史を学ぶことのできる年表パネル、模型、実物などを見ることができる。また、時計づくり工房では、セイコーエプソン(旧諏訪精工舎)OBの技師が指導する機械式腕時計の組み立て体験ができる。

中庭の水運儀象台
儀象堂展示室
時計の歴史パネル

   展示されている水運儀象台は中国北宋時代1092年に造られた高さ12メートルの天文観測時計で、水力を利用した水車型の脱進機を備えていた。当時、時間の管理や正確な暦づくりのための天文観測が皇帝や政府の重要な任務であったため、このような時計台と天文観測装置が一体となった機械が造られたものと推定されている。実物模型はここでしかみられない貴重なものであるので一見の価値がある。

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♣ 近江神宮 時計館宝物館

所在地:滋賀県大津市神宮町1番1号 近江神宮内  電話 : 077-522-3725
HP: http://oumijingu.org/publics/index/98/ 

 → 近江神宮の時計博物館は。1963年、大津市に日本最初の時計博物館として設立された。2010年に神宮鎮座70年を期して改装、「時計館宝物館」として新装開館された。時計館には、高松宮家から下賜された日本最古級の懐中時計や和時計、日本で唯一の「垂揺球儀)」、江戸時代の和時計櫓時計、日本最古の「漏刻」の復元模型、4000年前の中国で使われた龍型の火時計、精度の高い日時計など貴重なものが展示されている。ちなみに、日本の時刻制度は、約1300年前の天智天皇の時代、水時計とみられる漏刻(ろうこく)という用具で時間を伝えたことに始まるとされ、これが日本の時の記念日の由来ともなっている。

館内の時計展示
最古級の懐中時計など

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♣ 福山自動車時計博物館

所在地:広島県福山市北吉津町3丁目1−22
HP: https://www.facm.net/

 → 博物館名のとおり、福山市にあるクラシックカーと時計(掛時計、置時計)をメインに展示する博物館。地元の企業経営者で自動車愛好家でもある能宗孝が収集したコレクションを元に、1989年に開館し、公益財団法人「能宗文化財団」によって運営されている。 館名のとおり、クラシックカーと時計(掛け時計、置き時計)をメインに展示している。その他、小型飛行機のパイパー・チェロキーや蝋人形など、広範な趣味的展示物を収蔵する。時計関係ではアンティーク時計を主体としており、江戸時代に作られた大名時計と呼ばれる和時計の枕時計や櫓時計、欧米の塔時計、国内外の掛時計・置時計・懐中時計など多数を所蔵展示している。1800年代に作られた「からくり時計」という、ゼンマイの力の時間の経過による強弱を補整する持ち運びができ、目覚まし、カレンダーにもなる多機能の作品もある。

自動車と時計と
各種アンティーク時計

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♣ 伊豆高原からくり時計博物館

所在地:静岡県伊東市大室高原3-452 Tel. 0557-51-0237
HP: http://www3.tokai.or.jp/karakuritokei-h/

からくり時計博物館外観

 → 静岡県伊豆高原に1996年開設された珍しい時計博物館。施設としては余り大きなものではないが、館内にはふくろう時計、観覧車時計、かじ屋時計、ミステリー時計などが珍しい「からくり時計」が豊富に陳列されている。これらは江戸末期から昭和にかけて製作された稀少なものとされ、それぞれには造られた時代背景やお国柄が反映されており、昔の時計技術者たちの遊び心やアイディアが偲ばれていて楽しいコレクションとなっている。例えば、ふくろう時計では、ふくろうの目玉が左右に動くと時を刻む天使が鐘を叩いて時を知らせるなど仕掛けを持つ遊び心にあふれた時計などが展示されている。

からくり時計の展示

・参照:伊豆高原からくり時計博物館 | 美術館・博物館 | アイエム[インターネットミュージアム]https://www.museum.or.jp/museum/4337
・参照:からくり時計とはhttp://www3.tokai.or.jp/karakuritokei-h/karakuri.htm

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♣ 神戸時計デザイン博物館

所在地:兵庫県神戸市垂水区歌敷山1-7-20 Tel. 078-705-1512
HP: https://www.kobe-clock-design-museum.org/

左が絵葉書資料館、右がデザイン博物館

 → 神戸時計デザイン博物館はデザインからみた世界の時計をテーマにした博物館。絵葉書資料館と併設されている。各種ジャンルの時計をメーカー別系統的に分類展示し、日本と外国や時代によるデザインの嗜好変遷、素材による違い等、製作者の思いなど丁寧に伝えることを目指している。例えば、アナログ時計の仕組みはゼンマイ・歯車・脱進機構を介し秒針を進め分針時針に伝え、文字盤は見る人の立ち位置を示してデジタルにはない世界を表現し、時を刻む鼓動は心に響く魅力があるといわれる。これらを意識しつつ、博物館では各種時計 548台、ラリック時計 7台、オートタマ6台、和洋人形約10体、ドールハウス大型2台/中小型14台、ボビンレース、ミニチュア人形各種などが展示している。このように、博物館では長年に亘り蒐集した時計を通じ、アナログ時計時代の楽しさを後世に伝え、時代を彩る​時計デザインを楽しむ博物館となっている。

ユニークな時計
楽しい人形時計

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♣ 中村時計博物館

所在地:高知県南国市後免町1丁目5-26 Tel. 088-864-2458
HP: https://www.kcb-net.ne.jp/n-tokei/nwmuseum.htm

中村時計博物館外観
館内展示

 → 高知県にある老舗の時計店・中村時計店の提供する古時計の博物館。1999年に店舗リニューアルとともにオープンしている。現在、店舗2階のスペースに、ぜんまい式や重り式などのアンティーク機械時計が常時約2000点以上並べて展示されている。ここには、世界各国の時計をはじめ、昔懐かしい柱時計や置時計、船舶時計、懐中時計から腕時計まで、歴史的な背景もふまえて楽しむ事がでる。例えば、飛球時計、帆船型置時計、アメリカ製人形時計、フランス枕型置時計、イギリス製手作り風掛時計、超小型のチャイム付置時計、ドイツ製マリンクロノメーター、グランドセイコーVFA、セイコースピードタイマー クルミ製掛時計、バセロンコンスタンチン、ランバートブロス懐中時計、飾り柱付き置時計、ドイツ製小型掛時計などがある。それぞれの時計に解説がついているのがうれしい。

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♣ 横須賀腕時計博物館(太安堂本店) 

所在地:神奈川県横須賀市東逸見町1丁目1 Tel. 046-822-1200
HP: https://www.taiando.com/Yokosuka_wristwatch_Museum.html

太安堂本店
館内の腕時計展示

 → 太安堂は1901年に創業された老舗の時計店。「横須賀腕時計博物館」は現店主で腕時計の収集・研究家としても知られる栗崎賢一氏が創設した時計資料館。スイス・アメリカの高級品から懐かしい日本製の普及品まで数多く展示している。クォーツ式腕時計が開発され市場を席巻していくなかで、機械式腕時計の未来がどうなるのかという不安とともに、優れたムーブメントの系譜を残していかなければという使命感からかいせつしたという。 展示では、腕時計博物館の展示方式を年代順からメーカー別にし、各メーカーが1910年~1970年にかけてどの様に機械的に進化したかをより解り易い方法している。また、期間を決めて代表的なメーカーを選び特別コーナーに展示しているという。

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(時計の博物館 了)

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