日本の陶芸「やきもの」博物資料館(その1)(博物館紹介)

ー 「やきもの」の歴史と作品を通じて日本の陶芸文化に触れるー

 ここでは、日本各地に数多く存在する「やきもの」に関する博物館、資料館を取り上げ、各地の特色ある陶磁器、歴史ある有力産地と作品、伝統窯元などの紹介することとする。そこには作品作りにかけた長い歴史と陶芸家達の技術の集積がみられ、“ものづくり”のこだわりと伝承をみることができるだろう。
 日本のものつくり文化を伝える伝統工芸陶器「焼きもの」の博物館・美術館は非常に数が多いため、ここでは二つにわけ紹介することとする。その1では、全国的にも知られる有力な伝統工芸陶器の博物館・美術館、その2では、地場の「やきもの」資料館をリストと共に掲げることとした。また、参考資料として、主な「やきもの」の産地、陶磁器の生産地の特色と背景、窯元の地域分布を取り上げている。

その1:全国的に知られる伝統工芸陶器の展示資料館

(このセクションで取り上げた陶磁資料館)
佐賀県立九州陶磁文化館、有田町歴史民俗資料館(有田焼参考館)、有田陶磁美術館
伊万里市陶器商家資料館、石川県九谷焼美術館、能美市九谷焼資料館、福井県陶芸館 
越前古窯博物館、滋賀県立陶芸の森・陶芸館、信楽焼伝統産業会館、兵庫陶磁美術館、
大阪市立東洋陶磁美術館、愛知県陶磁美術館(旧愛知県陶磁資料館)、とこなめ陶の森資料館、多治見市美濃焼ミュージアム、岐阜県現代陶芸美術館、益子陶芸美術館 
益子参考館(濱田庄司記念益子参考館)

+++++++++++++++++++++++++++

♣ 佐賀県立九州陶磁文化館         

所在地:佐賀県西松浦郡有田町戸杓乙3100-1  Tel.0955-43-3681
HP:(https://saga-museum.jp/ceramic/facility/)

当時文化館エントランス

 → 九州各地の陶器文化遺産の保存と陶芸文化発展のための施設。地域の陶磁器を収集・保存・展示すると共に調査研究や教育活動を行っている。常設としては5つの展示室が用意されており、有田焼の歴史 (第1展示室)、柴田夫妻コレクション (第2展示室)、九州の古陶磁 (第3展示室)、一般展示室と茶室 (第5展示室)となっている。

作品展示コーナ
展示された作品

 詳しく見ると、第1展示室では、有田焼の名品の展示と共に有田焼の歴史や文化などのテーマごとに有田焼の特色と背景を解説、有田町名誉町民の故蒲原権氏の「蒲原コレクショ」も展示されている。第2展示室の「柴田夫妻コレクション」は、江戸時代に作られた有田磁器(古伊万里)であり、代表的な作品と様式変遷を知ることができる。第3展示室の「九州の古陶磁」は、佐賀県の古唐津をはじめ、初期伊万里・古伊万里・柿右衛門・鍋島などの製品のほか、九州各地の多彩な窯窯元の古いやきものを展示、第4展示室の「現代の九州陶芸」では、地域ごとの伝統的な作品や前衛的な作品を一堂に展示されている。第5展示室には「一般展示室と茶室」があり、個展やグループ展などに使われているようだ。また、屋外にはマイセン磁器でできた鐘が美しい音色を奏でているのも魅力という。

第1展示室
蒲原コレクション
九州の古陶磁

 有田町歴史民俗資料館(有田焼参考館)

所在地:佐賀県西松浦郡有田町立部乙2202番地  Tel.0955-46-2111
HP: (https://www.town.arita.lg.jp/main/169.html)

有田焼参考館外観

→ 有田焼参考館は、窯跡などから出土した陶片を展示する専用施設として1983年に開館。本物の有田焼に触れる機会を提供すること、歴史研究や作陶などをはじめとした有田焼を理解することを目的とした。開館当初は、発掘調査例も少なく有田焼の全体像を示すことはできなかったというが、今日では出土文化財管理センターを中心に膨大な数の陶片を収蔵できるようになっている。現在、常設展ではこの有田町が保管する発掘調査資料の中から、約40遺跡、1000点ほどの陶片を厳選し展示、誕生から近代に至る有田焼の変遷を最新の研究成果の解説パネルとともにみることができる。

展示コーナー
発掘された陶片
有田焼の登り窯模型

・参照:有田焼参考館<Arita Excavated Ceramic Museum> https://www.town.arita.lg.jp/rekishi/kiji0031925/index.html
・参考:有田町出土文化財管理センター https://www.town.arita.lg.jp/rekishi/kiji0031928/index.html

♣ 有田陶磁美術館

所在地: 佐賀県西松浦郡有田町大樽1-4-2
HP: https://www.town.arita.lg.jp/rekishi/kiji0031926/index.html

美術館の建物

 → 有田陶磁美術館は、1954年に開館した焼きもの物専門の美術館。明治7年の焼き物倉庫を利用して設立、建物自体も有田内山重要伝統的建造物群の一つに指定されている。窯元やそれぞれの豪商が手掛けた製品を展示し、有田の明治時代から昭和初期の焼き物を紹介している。入口の佐賀県重要文化財の「染付有田皿山職人尽し絵図大皿」と「陶彫赤絵の狛犬」がよく知られているようだ。

展示コーナー
古い有田の展示

・参考:日本の「やきもの」解説(産地):有田焼と伊万里焼:https://www.ceramic.or.jp/museum/yakimono/contents/imari/sanchi_imari.html

♣ 伊万里市陶器商家資料館

所在地:佐賀県伊万里市伊万里町甲555番地1   Tel.0955-22-7934  .HP:https://www.city.imari.saga.jp/21160.htm)       

白壁土蔵づくりの商家

→ 江戸時代の当時そのままの姿で保存されてきた陶器商家(旧犬塚家)を伊万里市が資料館として公開。焼きもの関連では江戸時代後期から明治初期の古伊万里を展示。資料館の建物は重厚な商家としての格式をみせ、当時の町割りに見られる典型的な様式といわれる。

館内の展示室
江戸期の伊万里焼

♣ 石川県九谷焼美術館

所在地:〒922-0861 加賀市大聖寺地方町1-10-13
HP:  http://www.kutani-mus.jp/ja/

石川県九谷焼美術館

 → 九谷焼は石川県の代表的な美術工芸品であり、石川県加賀市は九谷焼の発祥の地となっている。日本で唯一の九谷焼の専門美術館(登録博物館)で、古九谷をはじめ、再興九谷など九谷焼を網羅的、専門的に展示紹介している。特別展の開催、図録や研究紀要の発行などを通して九谷焼研究を推進している。

館内展示場
展示された九谷焼


       九谷焼は、江戸時代の前期、少なくとも明暦年間(1655年頃)には存在していた焼物で、現在まで長い歴史を数える。大胆な構図とあざやかな色彩で絵付けされた色絵磁器であり、日本国内のみならず、世界でも高い美術的評価を得ている伝統工芸品である。下図は九谷焼の名品。

九谷五彩
赤絵 (金襴手)
青手の作品

参考: 九谷焼とは http://www.kutani-mus.jp/ja/kutani
参考: 九谷焼デジタル収蔵庫 http://www.kutani-mus.jp/ja/archives
参考: 石川県九谷焼美術館 – Wikipedia

+++++++++++

♣ 能美市九谷焼資料館(能美市九谷焼美術館・五彩館)

所在地:石川県能美市泉台町南56番地 Tel. 0761-58-6100
HP:  https://www.icnet.or.jp/dentou/insti/04.html
HP:  https://www.kutaniyaki.or.jp/about_museum/gosai.html

能美市九谷焼資料館

→ 五彩館では草創期から現代までの作品と九谷焼の歴史を紹介、5つの展示室で構成されている。江戸時代前期、加賀の大聖寺藩九谷村で生まれた九谷焼は、途中廃窯を経て江戸時代後期に再興、現代にいたるまで多くの窯が技術を高め、優れた作品が作られてきた。能美市は、明治時代に産業九谷の礎が築かれた土地であり産地ならではの企画展も開催している。九谷焼の起源は中国陶磁器であるが、その技法を継承しながらも独自に発展してきている。古九谷に始まり、吉田屋窯、若杉窯、蓮代寺窯、松山窯などの江戸後期から明治にかけての名品や、深みのある繊細な運筆で人気の高い初代武腰泰山、超絶技巧の極致と言われる毛筆細字技法の小田清山から現代の巨匠まで一堂に会する作品群は圧巻。

館内展示場
展示の九谷焼

参照:石川県九谷焼美術館 – Wikipedia
参照:https://www.kutaniyaki.or.jp/about_museum/about_museum.html

♣ 福井県陶芸館 

所在地:福井県丹生郡越前町小曽原120-61  Tel.0778-32-2174
HP: https://info.pref.fukui.lg.jp/tisan/tougeikan/

福井県陶芸館

→ 福井県丹生郡越前町にある「越前陶芸村」の中心施設の一つとして1971年に開館した陶芸館。越前焼の歴史や特徴を学ぶ「資料館」、「陶芸教室」、越前焼の「茶苑」の3施設がある。資料館は2009年に全面リニューアルされ、越前古窯研究の第一人者である水野九右衛門とその協力者が鎌倉時代の穴窯を参考にして築いた「九右衛門窯」の模型と、焼成実験で生み出された成果品を展示している。なお、越前陶芸村の中には、「越前古窯博物館」「越前焼の館」などがある。

九右衛門窯模型
陶芸館内の展示スペース
展示品の大甕
越前焼の食器

(越前焼とは)https://info.pref.fukui.lg.jp/tisan/tougeikan/about-ware.html
 越前焼は、昔から壺・甕・すり鉢、食器などの生活雑器として使われる素朴な陶器として知られる。この肥前焼の“窯”は、当初、鎌倉・室町時代頃に越前町小曽原を中心に築かれ他といわれ、この時代以降、多くの陶工が働く越前焼の生産基地となった。その後、江戸時代には衰退したとされるが、1940年代、陶磁器研究家小山冨士夫が、丹生郡越前町平等の古窯址を調査した結果、日本五古窯に匹敵する規模と歴史があることを発見し広く知られるようになった。また、越前町熊谷の水野九右衛門が、さらなる発掘調査研究を行い、一帯に200基以上の古窯が残っていることが判明する。そして、1971年になると越前陶芸村の建設をきっかけに多くの陶芸家が全国から集まるようになり、現在は“焼き締め陶”の伝統を生かした種々の新しい作陶が試みられているという。
・参照:越前古窯博物館 (tougeikan.jp)  https://www.tougeikan.jp/koyou/

♣ 越前古窯博物館

福井県丹生郡越前町小曽原107-1-169越前陶芸村内 Tel. 0778-32-217
HP: https://www.tougeikan.jp/koyou/

越前古窯博物館全景

 → 越前陶芸村の中に2017年にオープンした古越前焼を展示する資料館。福井の古民家を移築した「旧水野家住宅」を展示資料館を中心とし、本格的な茶室「天心堂」・「天心庵」から構成されている。越前焼研究の第一人者であり、越前焼の名付け親の一人である水野九右衛門が収集した、平安時代から現代に至るまでの貴重な資料「水野九右衛門コレクション」(国登録有形文化財)を展示している。

旧水野住宅
館内の水野九右衛門コレクション

♣ 滋賀県立陶芸の森・陶芸館

滋賀県甲賀市信楽町勅旨2188-7 Tel. 0748-83-0909
HP: https://www.sccp.jp/ 

陶芸美術館の外観

 → 滋賀県立陶芸の森は、やきものを素材に創造・研修・展示など多様な機能を持つ公園として1990年に設立された。ここでは地域産業の振興や新しい文化創造の場として滋賀から世界へ情報を発信することを目的に整備されている。4つのエリアから構成され、陶芸専門美術館の「陶芸美術館」、信楽焼のギャラリー「信楽産業展示館」、制作スタジオ「創作研修館」、野外展示の広場などが整備されている。「陶芸館」では、常設の信楽焼焼はじめ世界各国の焼きもの作品を企画展として開催している。

陶芸美術館の展示
公園内の信楽焼展示

♣ 信楽焼伝統産業会館〔陶磁器〕(滋賀県)

所在地:滋賀県甲賀市信楽町長野1203  Tel. 0748-82-2345
HP: https://www.e-shigaraki.org/densan/

信楽焼伝統産業会館

 → 信楽焼は今から750年前の13世紀半ばに始まったと考えられている伝統工芸。地場産業として地域の経済を支えてきていた。この伝統あるやきもの産業振興のため、1997年に信楽伝統産業会館が開設されている。常設展示室には鎌倉時代から現代までの信楽焼を紹介、穴窯の窯変、お茶とのかかわり、長野地区の大物陶器、勅旨(ちょくし)地区の小物陶器、海鼠(なまこ)をはじめとする釉薬を使用した陶器などが展示され伝統工芸としての信楽焼の概要を知ることができる。

産業会館の展示
展示の信楽焼

(信楽焼とは)KOGEI JAPAN・信楽焼の特徴 や歴史- などから

信楽焼の背景

  → 信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町周辺で作られている陶磁器。陶土に木節、実土、蛙目などの粘土や原料を合わせて作る焼きもの。・コシがあり肉厚な焼き物や大きな焼き物を造ることができる。特徴は、粗めの土質を用いて耐火性が高いこと、焼成する工程によって、ピンクやほのかな赤色に発色し、赤褐色系統の火色(緋色)が生まれる。信楽の白みある土に映える火色(緋色)は「窯あじ」と呼ばれるもので、温度や焚き方によって微妙に変化し信楽ならではの温かい発色がつくといわれている。その表面に「焦げ」や釉薬をつけるため、柔らかい表情の焼き物になる。「焦げ」とは、薪が窯で燃え尽きて積もった灰に埋まった焼き物の裾の部分が黒褐色に発色することを指し、茶陶器においては焦げ部分のさびた趣が珍重されている。
参照:KOGEI JAPAN・信楽焼の特徴 や歴史- ttps://kogeijapan.com/locale/ja_JP/shigarakiyaki/

・参考:「信楽焼ミュージアム」 | 滋賀県博物館協議会 (sam.shiga.jp)
・参考:信楽焼 – Wikipedia

♣ 兵庫陶磁美術館  

所在地:兵庫県丹波篠山市今田町上立杭4 Tel. 079-597-3961
HP: https://www.mcart.jp/

兵庫陶磁美術館

 → 兵庫陶芸美術館は、兵庫県の陶芸文化の継承と振興を目指して、丹波焼を中心に陶磁器をテーマとして設立された美術館。丹波焼をはじめ、淡路のみん平焼、姫路の東山焼、豊岡の出石焼、三田の三田焼、篠山の王地山焼などの兵庫県産陶磁器を中心に、古陶磁から現代陶磁まで幅広く展示している。日本六古窯の一つに数えられる丹波焼の最大の窯業地「丹波立杭」エリアに立地している。中でも、美術館創立者である田中寬の収集作品「田中寬コレクション」はよく知られる。全部で5室ある展示棟には、幅広く内外の陶芸作品を紹介する「特別展」と、丹波焼や県内産陶磁器をはじめとする2,000点余りのコレクションを紹介する「テーマ展」を開催している。

館内の丹波焼展示コーナー
典型的な丹波焼

(丹波焼とは)
 丹波焼は、平安末期)に地元の須恵器生産体制をもとに、常滑焼や渥美焼など東海地方の陶器生産の技術を取り入れて成立。中世は壺・甕・擂鉢を主に生産していた。明るい褐色に焼き上がった器面に、窯の中で焼く間に降りかかった薪の灰が高温で溶けて萌黄色〈もえぎいろ〉の自然釉〈しぜんゆう〉となり、人為を超えた美しい景色を作り出している。江戸前期になると、「赤土部〈あかどべ〉」とよばれる鉄分の多い化粧土を器面に塗り、鮮やかな赤茶色を呈する徳利や甕などの日常品が盛んに作られる。江戸後期には、栗の皮のような色調の「栗皮釉〉」や、白い化粧土を塗り色絵付を施した色絵陶器が作られるなど、多彩な技法のやきものも生み出されまるようになった、といわれている。

丹波焼の登窯
窯出し
現在の多様な丹波焼作品

 美術館内の丹波焼コレクションは、テーマ展「丹波焼の世界」にて公開している。(https://www.mcart.jp/about/collection/参照) なお、明治28年(1895年)に築窯され、丹波篠山市今田町上立杭に現存する丹波焼の登窯「最古の登窯」は兵庫県の有形民俗文化財に指定されている。この登窯は経年劣化が激しく平成26年度から2カ年かけて大修復を行っている。(最古の登窯復興と丹波焼の里活性化推進プロジェクト)(https://www.mcart.jp/tanbayaki/noborigama/)参照

・参考:兵庫県/丹波立杭焼https://web.pref.hyogo.lg.jp/sr09/jibasan/tanbatatikuiyaki.html
・参考:KOGEI JAPAN:丹波立杭焼の特徴 や歴史https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/tambatachikuiyaki/

♣ 大阪市立東洋陶磁美術館

所在地:大阪府大阪市北区 中之島1-1-26 
HP: http://www.moco.or.jp/

大阪市立東洋陶器美術館

 → この美術館は東洋の陶磁器について収蔵・展示するとともに、研究拠点としても活動する美術館。高麗・朝鮮時代の朝鮮陶磁、中国陶磁を中心に、約6,000点を収蔵している。収蔵品群の中核をなすのが旧安宅産業の収集した「安宅コレクション」で、1980年これが一括して大阪市へ寄贈されたことから美術館として開館されたという経過がある。

館内の展示質
国宝の 飛青磁花生龍泉窯

♣ 愛知県陶磁美術館(旧愛知県陶磁資料館)‐ 

所在地:愛知県瀬戸市南山口町234番地  Tel.0561-84-7474
HP: (https://www.pref.aichi.jp/touji/index.html

愛知県当時美術館

 → 愛知県陶磁美術館は、縄文土器から現代陶芸まで、日本とアジアを中心とする世界各地のやきもの約8000点のコレクションを擁する国内屈指の陶磁専門ミュージアム(1978年に開館)。各地の古窯跡も復元展示されている。美術館内では陶芸体験ができる施設もあり陶磁器の歴史と文化を体系的に学ぶことができる。現在、改修工事中で2025年4月にリニューアルオープンの予定。
参考:愛知県の陶磁器一覧 – KOGEI JAPAN https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/list/?category=4&pref=23

展示室の内観
展示の大皿

♣ とこなめ陶の森資料館 

所在地:愛知県常滑市瀬木町4-203 Tel. 0569-34-5290
HP: https://www.tokoname-tounomori.jp/aboutmuseum/
参考:https://www.tokoname-tounomori.jp/
参考:https://www.city.tokoname.aichi.jp/shisetsu/tounomori/1001901.html

とこなめ陶の森「資料館」

→「とこなめ陶の森」とは「資料館」「陶芸研究所」「研修工房」の3施設を中に収めるる博物施設。資料館は、1981年の当初の開館から40周年を契機として2021年にリニューアルオープンしている。この常設展示室では、国指定重要有形民俗文化財である「常滑の陶器の生産用具及び製品」1,655点の内から約300点を選び、生産用具(製土、成形、乾燥、施釉、窯入れ、焼成、窯出し、運搬の各工程)と製品をわかりやすく展示している。特別展示室では、時の常滑作品を展示する企画展を開催している。

館内の常滑焼展示
屋外の常滑焼展示

(常滑焼とは)KOGEI JAPAN:常滑焼の特徴 や歴史(https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/tokonameyaki/)より
     →常滑焼の起源は、平安時代末期に3,000基もの穴窯があったといわれている。常滑は日本六古窯のなかでも最大の焼き物産地で、この時代に制作された古常滑焼が常滑焼の原型である。大瓶・大壼など大型貯蔵具が主製品であったが、江戸時代になると大型貯蔵具だけでなく、茶の湯や生け花で使用する器や日用品としての小細工物が登場。「朱泥」の茶器は江戸時代末期から明治初期にかけて作られている。また、常滑焼で人気の高い急須も江戸時代以降に初めて制作されている。明治時代には日本人の生活も変わっていくことで新たな変化を遂げる。例えば、水路の工事に頑丈な素材として硬く締まった常滑の土管、大正期には建物用のタイルが広がり建築陶器が有名となる。こうして、時代が変わるにしたがって多様な常滑焼の技法は受け継がれ、国指定の伝統工芸品として現在でもさまざまな場面で用いられている。ちなみに「伊奈陶器」はここから生まれている。(see: INAXミュジアム(https://livingculture.lixil.com/ilm/)参照。

♣ 多治見市美濃焼ミュージアム

所在地:岐阜県多治見市東町1-9-27
HP: https://www.tajimi-bunka.or.jp/minoyaki_museum/

美濃焼ミュージアム

 → この美濃焼ミュージアムは、岐阜県多治見市にある美濃焼に関する博物館(多治見市より受託した多治見市文化振興事業団が管理運営)。2012年、「旧岐阜県陶磁資料館」が閉館するに伴い、岐阜県から多治見市が施設の移管を受け開館したもの。瀬戸黒や黄瀬戸、志野、織部といった桃山陶や、欧米で高く評価された幻の西浦焼など、1300年の歴史を持つ一連の美濃焼作品や人間国宝をはじめ美濃の代表的な陶芸家の作品を収集展示している。2016年には、新たに「荒川豊蔵展示室」を設け、昭和を代表する美濃焼の陶芸家荒川豊蔵の作品も展示するようになった。桃山時代の陶片に自由に触れ鑑賞できる体験コーナーもある。

ミュージアムの展示質
美濃焼の展示
各種の食器展示

(美濃焼とは)KOGEI JAPAN・美濃焼の特徴 や歴史- などからhttps://kogeijapan.com/locale/ja_JP/minoyaki/

織部扇形蓋物
美濃焼の作品

 →美濃焼(みのやき)は、岐阜県の東濃地方で作られている焼き物で、歴史と伝統に支えられながら長い歴史を誇ってきた。美濃焼の特徴は多様な種類が存在すること、一定の様式を持たず15種類が伝統工芸品として指定されている。代表的なものは千利休によって確立され古田織部の美学によって作られた「織部」。主に瀬戸黒天正年間に焼成されたため、天正黒・引き出し黒という呼称もある。緑釉(りょくゆう)の深い色と個性的な形、幾何学的紋様の装飾が魅力で、作風によって黒織部・青織部・総織部などの種類があるといわれている。また「志野」は、釉薬(ゆうやく)の下に絵付けが施されたという点で、日本の陶器の歴史上で画期的な焼き物とされている。薄紅色が美しく、長石釉(ちょうせきゆう)による気泡状の風合いがある志野の最盛期は桃山時代でした。人間国宝の荒川豊蔵が尽力し、江戸時代にいったん姿を消した志野を再現し、現代にも息づいている。同様に近代になって再注目された「黄瀬戸(きぜと)」は、控えめで素朴な趣きがあり、人気のある美濃焼となっている。
・参照:伝統工芸品「美濃焼」(美濃焼伝統工芸品協同組合)https://www.minoyaki.gr.jp/craft
・参照:KOGEI JAPAN・美濃焼の特徴 や歴史-  https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/minoyaki/

♣ 岐阜県現代陶芸美術館

所在地:岐阜県多治見市東町4-2-5  Tel. 0572-28-3100
HP:  https://www.cpm-gifu.jp/museum/about_top/about

現代陶芸美術館

→ 現代陶芸美術館は現代をテーマとして2002年に設立された現代陶芸の美術館。“美濃焼”を中心とした東濃地方の産業と文化の総合施設「セラミックパークMINO」の一角にある。ここでは日本のみならず世界各地の近現代の陶芸作品を収集し、さまざまな展覧会を開催しているほか、陶磁器を通じた人的ネットワークの構築を目指した活動も展開している。

企画展示の一つ
館内展示スペース


 

♣ 益子陶芸美術館

所在地:栃木県芳賀郡益子町大字益子3021  Tel.0285-72-7555
HP: http://www.mashiko-museum.jp/index.html

益子陶芸美術館

→ 益子焼の魅力や歴史を紹介する複合施設。益子にゆかりのある陶芸家たちの作品が並び、益子焼の歴史を学べる美術館となっている。展示では、土器・陶器でたどる益子の歴史として、史料や写真により紹介、縄文時代から現代まで年代順にわかりやすく解説。敷地内には、益子国際工芸交流館、旧浜田庄司邸、陶芸工房などがあり、益子焼に使った登り窯もみえる。

館内の展示スペース
展示された益子焼作品
益子焼作品

(益子焼とは)
KOGEI JAPAN:益子焼の特徴 や歴史より(https://kogeijapan.com/locale/ja_JP/mashikoyaki/
→益子焼は、栃木県芳賀郡益子町周辺で作られている陶器。ケイ酸や鉄分が多く、可塑性に富む陶土)を用いるため形を作りやすく耐火性も高くなっている。益子焼の特徴は、陶土に他の物質を加えないことから厚みのある焼き物に仕上がること。重さや割れやすいことが欠点と評されることもありますが、手に馴染みやすい益子焼ならではの魅力ともいえる。益子焼の釉薬には石材粉や古鉄粉が使われ、犬筆を用いて色付けが行なわれる。重厚感のある色合いとなるとともに、ぼってりとした見栄えがある。益子の陶土は釉薬がのりやすいことから、白化粧や刷毛目(はけめ)といった様々な伝統的な技法により、独特の味わいのある力強い作品が生み出されている。また、昭和時代、益子に定住した濱田庄司によって、花器や食卓用品などが作られるようになり、民衆の日常生活で使われる「用の美」を追求した芸術品としても認められるようになっている。

♣ 益子参考館(濱田庄司記念益子参考館) 

所在地:栃木県芳賀郡益子町大字益子3388  Tel. 0285-72-5300
HP: (https://mashiko-sankokan.net/)

濱田庄司記念益子参考館

→ 益子参考館は、益子焼の陶芸家であり民藝運動の主要人物であった濱田庄司が、自らの手で世界各地から蒐集した民藝品を展示している。浜田の自邸の一部を活用し1977年に開館。5棟の建物を展示館として開設した、日本のみならず、アジア、ヨーロッパ、中南米、太平洋諸国などの世界各国の陶磁器、木工、漆器、金工、染織など様々な工芸品を収集展示し公開している。庄司が作陶活動をしていた工房である細工場や登り窯も当時のまま置かれている。

参考館館内
陶芸家濱田庄司


参照:益子参考館 – Wikipedia濱田庄司 – Wikipedia

(このセクション その1 End)

This entry was posted in Uncategorized. Bookmark the permalink.

Leave a comment