産業機械の発展を示す博物館 (B) 詳細

♣ 安川電機の歴史館とみらい館(安川電機) 

ー 産業ロボット製作のパイオニア安川の歴史と挑戦ー

(https://www.yaskawa.co.jp/robot-vil/rekishi/index.html) 歴史館HP(https://www.yaskawa.co.jp/robot-vil/miraikan/index.html)未来館HP(https://www.yaskawa.co.jp/company/robotvillage)ロボット村HP
福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1  Tel.093-645-7705

安川電機歴史館の外観

→ 安川電機は、産業用ロボット分野では世界で4位を占める国内有数の産業工作機械メーカーである。この安川が創立100年(1915年)を迎えて設立したのが「安川電機歴史館」「安川電機みらい館」。北九州黒崎に「ロボット村」として本社・工場機能を統合して見学・訪問施設としてオープンしている。前者の歴史館では、安川電機の創業と発展の足跡をたどると共に、同社発展の原点となったモータの受注一号機「三相誘導電動機」(1917年)、国内初の全電気式産業用ロボット一号機などが展示されている。

三相誘導電動機
ロボット一号機
安川歴史館内観

 また、後者のみらい館は、現在の安川電機が取り組むロボット先端技術と未来への展望を示す展示館で、最新のロボット技術の紹介、人とロボットの共存を考える空間を提供している。両者とも日本の産業工作機械の歴史と今後の発展を示唆する貴重な展示施設である。

安川敬一郎
歴史館展示スペース

 ちなみに安川電機は、九州で炭鉱事業(明治鉱業)を興した安川敬一郎が、電気用品の開発と製造を行うことを目的に設立した会社が基となっており、1928年には「ボールベアリング付き三相誘導電動機」、戦後1953年にはVSモータ1号機を製品化とモータ製作部門で成果を上げ、この技術を応用して産業ロボット部門に進出、1974年にマイクロNC「YASNAC(ヤスナック)」を開発、1977年には国内初の全電気式産業用ロボット「MOTOMAN-L10」を発表している。現在では、半導体・電子部品、植物工場含む農業・食品分野、社会インフラの分野でも存在感を示し、2020年には半導体製造装置などに使うACサーボモーターの累計販売台数が2000万台に到達し世界シェア第1位となっている。

安川「ロボット村」全景

これら安川電機事業の全容と発展を社会的に広く知ってもらおうと開設したのが安川「ロボット村」で、体験型の観光テーマパークとして見学に訪れる人も多いという。

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♣ ヤマザキ・マザック工作機械博物館

ー産業ロボットの可能性を探るヤマザキの挑戦を紹介ー
   (https://machine-tools-museum.mazak.com/) 
   岐阜県美濃加茂市前平町3-1-2  Tel.0574-28-2727

ヤマザキの工作機械博物館

 → ヤマザキマザックは、自動車部品や医療機器など多様な製品の部品を加工する産業機器・産業ロボットの革新的なメーカーとして広く知られるが、同社の創業100周年記念として2019年開館したのが、この工作機械に特化した博物館。ここには18世紀から現代までの工作機械の展示がされており、一部の機械は稼働状態の展示となっている。施設内には、現代の工作機械で構成された生産ラインもあり、実際に部品の生産が見学できる施設となっている。

 この館内の「工作機械ギャラリー」では、工作機械の歴史の、加工部品、最新の工作機械を展示、実物を通して生活に工作機械がどのように関わっているかを詳しく紹介している。工作機械は、自動車や航空機など、私たちの身の回りにあるあらゆる製品の製造に関わることからマザーマシン呼ばれ、「世界のモノづくり」を支える大変重要な役割を担っている。 しかしその存在や用途は、一般的にはあまり知られていない。博物館では、普段見ることのできない歴史的に貴重な工作機械を時代ごとに展示、工作機械の歴史や役割、仕組みなどをわかりやすく学ぶことができると博物館は説明している。

最新の横型マシニングセンタ

多様な工作機械を展示する館内

 

                             ーーーーーーーーーーーーー     しかし、その存在や用途は一般的にはあまり知られていない。博物館では、普段見ることのできない歴史的に貴重な工作機械を時代ごとに展示、工作機械の歴史や役割、仕組みなどをわかりやすく学ぶことができると博物館は説明している。 

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♣ KTCものづくり技術館(京都機械工具)(京都)

   (https://ktc.co.jp/museum-west/)  
  京都府久世郡久御山町佐山新開地128

KTC技術館

 → 汎用、専用工具など約3000アイテムの工具や収納ケースの展示している資料館である。ミュージアムに入るとすぐ1,000t級の大型熱間鍛造機械の実物が展示されている。また、周囲をぐるりと覆う壁面には同社自慢の機械工具を種別ごとに見やすく陳列してあり、さすがに工具専門メーカーの資料技術館と感じられる内容である。普段はあまり気に留めることもないレンチやソケットの加工部分、細部まで洗練されたデザイン性など、じっくりと確かめることができる。

壁面に展示された機械工具類
館内展示、中央に大型鍛造機

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 ヤンマー・ミュージアム(滋賀県)

ーヤンマーのエンジン、船舶などの製作技術を示す体験型博物館ー
 https://www.yanmar.com/jp/museum/)  
  滋賀県長浜市三和町6-50  Tel. 0749-62-8887            

ヤンマー・ミュージアムの外観

 → ヤンマーの100周年記念事業の一環として滋賀研究所の跡地に2013年開館したミュージアム。内部には創業者山岡孫吉の功績を偲ぶ展示やヤンマーの事業内容の紹介があるほか、これまでのヤンマーの製作した各種機械製品、エンジン、ショベルカーや建設機械、トラクター、エンジン、ボート・船舶などが所狭しと陳列展示されている。また、ショベルカーや開発試験用の建設機械の操縦、ボートの操船などをシミュレーターで体験できる体験型の博物施設ともなっている。

世界最小エンジン
体験できる建機
館内展示



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♣ 長岡歯車資料館 (新潟県)

ー機械の性能を支える歯車の秘密を明かす資料館ー
 (http://nagaha.net/?page_id=1653)
 新潟県長岡市南陽2丁目949-4  Tel. 0258-22-069

→ 長岡歯車製作所が1990年に設立した歯車に特化した珍しい機械工作博物館である。ここには歯車を使った機械、時計、茶運び人形、各種歯車モデル、非円形・円錐・球形歯車など、古今東西の歯車に関するいろいろな製品を展示している。主な展示品としては。木製歯車と木製機械、計算機、ミシン、オルゴール、機械式時計、シンギングバード、指南車、記里鼓車、ゼンマイ付玩具、各種歯車のメカニズムのモデル、球形歯車、その他各種歯車加工機械などがある。中でも珍しいのは水車用の木製歯車、同社の開発した非円形歯車、円錐型歯車などである。

水車歯車
金属部品歯車
歯車の展示場

(参考)博物館だより・長岡歯車資料館(砥粒加工光学誌 2006 Jan. pp23-24)https://www.jsat.or.jp/sites/default/files/2017-11/2008622162036.pdf

(了)



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